澁澤龍彦没後30周年の日(2017年8月5日)

今年の8月5日は敬愛する文学者・澁澤龍彦没後30周年に当たるというのに特にイベントの話も聞かない。われらが澁澤のいた昭和は遠くなりにけり、ということだろうか。
わずかに銀座のスパンアートギャラリーで「オマージュ澁澤龍彦」と題する企画展をやっているので見に行ってみた。
◆スパンアートギャラリーの澁澤展については→こちらを参照のこと

写真1はそこで購入した文庫本だ。
こんなタイトルの本は初めて見たのだが、それもそのはずで、この7月に動物や昆虫に関する話を28篇収録して新たに発売されたもの。

▼写真1 極楽鳥とカタツムリ(澁澤龍彦著、河出書房新社、2017年7月20日初版発行)
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その中からタマムシの話を引用してみよう。

 「いま、私の家の客間の飾り戸棚の上には、小さなガラス瓶に入った一匹のタマムシが置いてある。これは去年、北鎌倉の円覚寺の裏山につづく、私の家の庭で捉えたやつだ。その美しい玉虫色は、一年たっても少しも変化していない。
 昆虫の世界の魅力は、こうして語っていると、どうやら尽きることがないかのようだ。」——『私の昆虫記』より


もともとこの話は『記憶の遠近法』(大和書房刊、1978年)に収録されていたものだ。この本は学生時代に買って読んでいた。
そういえば、私が後年昆虫写真を撮るようになり、公園で拾ってきたタマムシを瓶に入れて飾っているのも澁澤の真似であった(写真2)。忘れていた(笑)。
このタマムシは2012年に拾ってきたものなので5年経ったことになるが、まだほとんど変化していないように見える。

▼写真2 瓶に入れたタマムシ
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ところで、澁澤龍彦の没後30周年イベントを知らないのは私に問題があったようで、ネットで調べるといろいろと企画されていた。

◆恵比寿にあるシス書店では8月5日から澁澤龍彦没後30周年イベントが開催されることになっている。詳細は→こちらを参照のこと

◆世田谷文学館の企画展「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」10月7日〜12月17日に関しては→こちらを参照のこと

そういえば世田谷文学館では春先に澁澤龍彦絡みの講座を何度か開催していたようだ(写真3)。
この講座は秋の企画展のプレイベントだったらしい。講座には行ってないけど(汗)。

▼写真3 澁澤龍彦に関する連続講座のパンフレット(世田谷文学館)
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澁澤の作品を文庫でたくさん出している河出書房新社では、没後30周年を機に新装して出したりしているようだ。
◆河出書房新社の澁澤関係の新刊情報は→こちら

澁澤龍彦は20代の頃かなり熱心に読んだ。それは単に好きというレベルではなく、文系出身の私にとって、澁澤は神のような存在だったと言っても過言ではない。
以前は鎌倉の某寺にある澁澤の墓参りにも行ったりしたが、この時期はとても暑いのでここしばらく行っていない。30周年を迎える8月5日は岩手に帰省しているので今年も行けないことになった。せめて遠くの地から合掌したいと思う。

by mikiosu | 2017-08-05 01:47 | その他 | Comments(2)

Commented by Sippo5655 at 2017-08-06 21:35
こんな方がいらしたなんて、、
知りませんでした。
タマムシは瓶の中で、輝き続けるのですか。
私が拾って瓶に入れたのはどんぐりくらいだなあ、、
小学生くらいの時に瓶に入れて
たぶんその後、20年くらいは変わらない姿でした。

この方は、文学者で、虫大好き・・・
そういうお方なのでしょうか!
Commented by mikiosu at 2017-08-09 14:16
Sippo様
コメントありがとうございます。
澁澤さんは博覧強記の方ですが、虫大好き…とまでは行かないですかね。仏文系で虫大好きと言えばやはり奥本大三郎氏でしょうね。
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