3月の蛾たち番外編(2013年4月1日)

ここでは3月に見かけた蛾の中からシャクガ以外の蛾を紹介する。
蝶も蛾も同じ鱗翅目に属するのに、蝶は好きでも蛾は苦手という人は少なくないようだ。
季節は春、私とて蝶が目当てで出かけるのだが、蛾はその副産物と言える。時には副産物がメインになったりする今日この頃だ。
実際のところ、フユシャクの時期を別にしても、蛾が目当てで出かける日が時にはある。昆虫写真を撮りはじめた頃には蝶をメインに撮っていたはずなのだが、いつの間にか蛾も熱心に追いかけるようになってしまった。
日本国内で見られる蝶の種類は250種ほど、蛾は5000種とも言われる。
蛾は奥が深いのである。
いろいろな蛾を見つけて、名前を調べるのもなかなか楽しい。いや、白状しよう。シャクガ科の同定はちょっと辛い…、あとハマキガ科も…(笑)。
3月はシャクガ、キリガ以外の蛾はそれほど多くはなかったが、以下のような蛾が見られた(写真1〜5)。

▼写真1 ナシケンモン(2013年3月19日、日野市)
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▼写真2 リュウキュウキノカワガ(2013年3月21日、武蔵野市)
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▼写真3 ホシボシトガリバ(2013年3月28日、武蔵村山市)
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▼写真4 プライヤキリバ(2013年3月29日、裏高尾)
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▼写真5 ウスベニトガリバ(2013年3月29日、裏高尾)
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ナシケンモン、ウスベニトガリバ以外は初めて見る蛾である。
そして3月の掉尾を飾る蛾としてこれを挙げる(写真6〜8)。

▼写真6 オオミズアオ♂&オキナグサ(ノートリミング、2013年3月29日、八王子市)
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▼写真7 オオミズアオ♂(2013年3月29日、八王子市)
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▼写真8 同上、触角&脚(2013年3月29日、八王子市)
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オオミズアオ、いつ見ても美しい蛾である。
オオミズアオに魅せられて蛾の世界にハマったという人も少なくない。
オオミズアオは春と夏の年2化の蛾だが、1化の個体を見たのは初めてである。1化は4〜5月となっているので、3月29日ならそれほど驚くことではないかもしれないが、やはりちょっとびっくりした。
以前、主フィールドで行われた夜の観察会に参加して、羽化したばかりの♂♀を見つけたことがある。この時はかなり黄色っぽく見えた。夏に出る2化の個体は黄色味が強く出る傾向があるようだ。
蛾の♂♀は一般に触角で見分ける。♂は櫛歯状、♀は糸状であることが多いが、オオミズアオの場合、♀は櫛歯状で♂は羽毛状である。後翅も♂の方が長いようだ。
2008年に本州以南亜種の学名が変更されるまで、このオオミズアオには月の女神アルテミスの名が冠せられていた。月光の下で見る青白い姿はさぞや美しいに違いない。もちろん、日光の下で見ても美しい。

さて、3回に渡って3月中に見かけた蛾を紹介してきた。
エダシャクの項で参考サイトを少しだけ掲載したが、他にもたくさんお世話になったサイトがある。
蛾に限らず、昆虫サイトの先達が撮影し、同定し、その解説と画像をサイトに掲載してくださるおかげで、私のようにろくに図鑑も持たない者でも昆虫写真を楽しむことができる。
中には近縁種の画像を並べ、識別ポイントまで図解しているサイトもあるほどだ。
本人もお好きでやられていることとは思うが、その努力には本当に頭が下がる思いがする。
こんなブログで表明しても大して意味はなさないかもしれないが、記して感謝と敬意を表したい。

撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
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# by mikiosu | 2013-04-01 00:20 | | Comments(0)

3月のエダシャクたち(2013年3月31日)

3月のエダシャク類としては、主フィールドでもよく見られるこの時期の定番がアトジロエダシャク(写真1)とシロテンエダシャク(写真2、3)だ。
これらは色彩変異が多彩で、濃いのから薄いのまでさまざまだ。

▼写真1 アトジロエダシャク(2013年3月15日、井の頭公園)
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▼写真2 シロテンエダシャク その1(2013年3月23日、東村山市)
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▼写真3 シロテンエダシャク その2(2013年3月29日、裏高尾)
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丘陵や林道方面ではやはりエダシャクの種類が豊富だ(写真4〜10)。

▼写真4 ハスオビエダシャク♂ その1 (2013年3月28日、武蔵村山市)
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▼写真5 ハスオビエダシャク♂ その2 腹面(2013年3月20日、武蔵村山市)
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▼写真6 ハスオビエダシャク♀(2013年3月22日、武蔵村山市)
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▼写真7 ヒロバトガリエダシャク その1 白っぽい個体(2013年3月22日、武蔵村山市)
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▼写真8 ヒロバトガリエダシャク その2 薄茶色の個体(2013年3月29日、裏高尾)
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▼写真9 フタホシシロエダシャク(2013年3月26日、裏高尾)
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▼写真10 クロモンキリバエダシャク(2013年3月29日、裏高尾)
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上記には比較的分かりやすい種を紹介したが、よく似ていて画像を見比べてみただけではなかなか埒があかないのがエダシャクの仲間たちだ。
春の定番(らしい)ヒゲマダラエダシャク(写真11)はともかくとして、オオトビスジエダシャク(写真12)とウストビスジエダシャク、フトフタオビスジエダシャク(写真13)とスギノキエダシャク(写真14、やや色の濃い個体が多いか)とウスジロエダシャク(やや小さめ)などがかなり紛らわしく、なんだかもう全部まとめてエダシャクの仲間としてしまいたくなる。

▼写真11 ヒゲマダラエダシャク(2013年3月29日、裏高尾)
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▼写真12 オオトビスジエダシャク(2013年3月11日、裏高尾)
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▼写真13 フトフタオビスジエダシャク(2013年3月29日、裏高尾)
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▼写真14 スギノキエダシャク(2013年3月26日、裏高尾)
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最後に一つ、これもエダシャクの仲間ではあるが、早春に出るフユシャク、トギレフユエダシャクを挙げておく(写真15)。
実は♀を見つけたら一緒に紹介しようと思っていたのだが、残念ながらまだ見つけられずにいる。そうこうするうちに3月も終わりになってしまった。悔しいが取りあえず♂の姿だけご紹介しておく。

▼写真15 トギレフユエダシャク♂(2013年3月20日、東京都)
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フユシャクに関しては、今季(2012年12月〜2013年3月末まで)はこれで合計15種(♂15種、♀12種)を見たことになる。♀が3種類少ないのが残念だ。

参考サイト:「虫Navi」「似た蛾の比較図鑑」「みんなで作る日本産蛾類図鑑」
撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
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# by mikiosu | 2013-03-31 05:21 | | Comments(2)

3月のナミシャクたち(2013年3月30日)

主フィールドにおける春の代表的なエダシャクとして、オカモトトゲエダシャク、トビモンオオエダシャクは既に紹介した。
3月に入っていろいろなシャクガ類が目につくようになってきたので、ナミシャク類とエダシャク類の2回に分けてご紹介したい。
ナミシャク類のトップバッターはウスベニスジナミシャク。
主フィールドにおける今季初確認は3月6日で、まだヒロバフユエダシャクやシロフフユエダシャクの姿が見られる時期に登場しはじめた(写真1)。この個体は緑色の帯をしていて、名は体を表していない。実際、薄紅ではない個体も結構見られるのだ(写真2)。
写真3は昨年八王子方面で撮影した個体で、こちらは名前の通り薄紅色の帯が入っている(写真3)。
帯の色にはグレーのタイプもあるようで、色彩の個体変異が多いようだ。

▼写真1 ウスベニスジナミシャク その1(2013年3月6日、井の頭公園)
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▼写真2 ウスベニスジナミシャク その2(2012年3月11日、井の頭公園)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

▼写真3 ウスベニスジナミシャク その3(2012年3月22日、八王子市)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

シャクガ類は似たようなものが多くて同定に難儀するのだが、ナミシャク類は他にシタコバネナミシャク(写真4)、シロシタコバネナミシャク(写真5)、チャオビコバネナミシャク(写真6)など名前も外見もややこしいのがたくさんある。

▼写真4 シタコバネナミシャク(2013年3月23日、東大和市)
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▼写真5 シロシタコバネナミシャク(2013年3月26日、裏高尾)
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▼写真6 チャオビコバネナミシャク(2013年3月23日、東村山市)
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上記3種はウスベニスジナミシャクに比べてやや小振りのようだが、コバネナミシャクの仲間にはもっとたくさんの種があり、いずれもよく似ていて同定にはあまり自信が持てない。
よく見かけるウスベニスジナミシャクですら、パソコン内の画像フォルダの中にはどうも似て非なる種が混じっているような気がしている。

もう少し眼を引くナミシャクとしてモンキキナミシャクがある(写真7)。似ている種にナカモンキナミシャクというのがあるようだが、私はまだ見たことがない。

▼写真7 モンキキナミシャク(2013年3月20日、武蔵村山市)
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3月頃によく見られるナミシャクとしては、他にソトカバナミシャクをはじめとしたカバナミシャクの仲間もいろいろあるのだが、これらは同定がほとんど困難なので、ここでは取り上げない。と言うか、分からないので仮に撮ってもすべて迷宮入りになっている。
今回取り上げているナミシャク類、次回取り上げるエダシャク類では、誤同定をしている可能性も十分あるので、お気づきの点があればご教示いただけると幸いである。

撮影機材:※印以外はニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
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# by mikiosu | 2013-03-30 22:02 | | Comments(2)