キリガ3種(2013年3月15日)

巷では春羽化蝶も出始め、徐々に春の様相を呈しつつあるが、もう少しだけ冬の話題。
今冬は主フィールドでシモフリトゲエダシャク♂を初めて見つけたので、昨年は遠征先でも見ることのなかった♀を探して主フィールドをメインに歩いた。そのため昨年もさんざん見たフユシャク類を今年もたくさん見ることになった。
たまには違う蛾も見たいと思うが、そうは言っても同じ時期に見られる蛾はキリガくらいで、実際のところ首尾よくキリガを見つけてもそんなに嬉しいかというとそうでもなかったりする。
なかにはケンモンミドリキリガのような派手なタイプもいるにはいるが、今冬見られたキリガはヨスジノコメキリガ、キバラモクメキリガ、スモモキリガの3種類だけだった(3月15日現在)。
ヨスジノコメキリガは1月1日、初詣に出かける途中にちょっとだけ立ち寄った公園のトイレにいた(写真1)。
ヨスジノコメキリガは拙宅の近所でも何度か見かけている。
前翅に4本の筋があり、前翅外縁がノコ目になっているキリガということなのだろう。

▼写真1 ヨスジノコメキリガ(2013年1月、杉並区)
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キバラモクメキリガは2月7日、公園外れの民家外壁にとまっているのを見つけ、近くの枯葉上に移動させて撮影した(写真2〜4)。

▼写真2 キバラモクメキリガ(2013年2月、武蔵野市)
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▼写真3 同上、ちょっと突ついて触角を出してみた
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▼写真4 同上、ひっくり返してみた
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前翅に木目があり、腹部先端が黄色いキリガということなのだろう。実際、翅を丸めてじっとしていると木っ端にしか見えない。
キバラモクメキリガの成虫は昨年3月にも見ている。幼虫は他の公園で何度か見たことがあるので、都内でもそこそこ生息しているようだ(写真5、6)。

▼写真5 キバラモクメキリガ若齢幼虫(2012年5月、港区)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

▼写真6 キバラモクメキリガ終齢幼虫(2011年5月、杉並区)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

スモモキリガは3月5日、公園内の広場の地面に落ちていた(写真7)。まったく動きがなく、死んでいるように思われたが、写真を撮ったあとに踏まれないよう木柵近くに移動させておいたところ、翌日見てみると姿が見えなかったので、まだ生きていたのかもしれない。
3月8日には別個体を公園内のトイレで見つけている(写真8)。

▼写真7 スモモキリガ(2013年3月5日、武蔵野市)
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▼写真8 スモモキリガ(2013年3月8日、武蔵野市)
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スモモキリガの成虫は初めて見たのだが、幼虫は昨年5月に都区内の公園で見かけている(写真9、10)。何の葉にいたか確認していなかった。幼虫の植樹はクヌギ、コナラ、サクラ、リンゴ、スモモなどとなっている。スモモを食べるからスモモキリガということか。

▼写真9 スモモキリガ幼虫(2012年5月、港区)
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▼写真10 同上
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

上記3種のうち、成虫を一番良く見かけるのがヨスジノコメキリガなのだが、どういうわけか幼虫はまだ見たことがない。
ネットで検索するとほとんど真っ黒のイモムシのようだ。

撮影機材:※印以外はニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
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# by mikiosu | 2013-03-15 20:41 | | Comments(2)

春のエダシャク2種ほか(2013年3月14日)

今年1〜2月の東京はかなり寒かったように思われるが、3月に入ると急に寒さがゆるみ、早春の蛾の姿も見られるようになった。
春の代表的な蝶と言えば春の女神・ギフチョウが真っ先に挙げられるだろうか。それともツマキチョウか。ちょっとマニアックな人ならコツバメを挙げるかもしれない。
それでは春の蛾と言えばなんだろう。
私は春に羽化する大型の蛾に関しては、あまり近所では見られないと思われるオオシモフリスズメはもちろんのこと、エゾヨツメやイボタガもまだ見たことがない。エゾヨツメやイボタガは昨年も意識していたのだがチャンスに恵まれなかった。
私の主フィールドで春の代表的な蛾と言えば、オカモトトゲエダシャクとトビモンオオエダシャクではないかと考えている。
前者はその特異な翅の畳み方、後者は重量感で他の蛾を圧倒しているように思うのだがいかがだろうか。
3月2日、そろそろ見られるだろうかと思っていたオカモトトゲエダシャクを見つけた(写真1)。

▼写真1 オカモトトゲエダシャク♀(2013年3月2日)
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公園外れのケヤキの木にとまっていたのだが、やや高い位置にいたため、触角がよく見えなかった。
いつも持ち歩いているスケールで突ついて下の方に移動させてみたところ、♀と分かった(写真2)。

▼写真2 オカモトトゲエダシャク♀側面(2013年3月2日)
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オカモトトゲエダシャクの♂の触角は櫛歯状、♀は糸状なので触角を見れば判別できる。
この蛾を初めて見た昨季は2月22日に♂♀ともに見ることができたので、今季はやや遅い出現ということになる。この時は木柵にとまる♀を見つけたあと、このフィールドで長年観察しておられる「公園昆虫記」のおはるさんが羽化直後の♂を見つけて教えてくださった(写真3)。

▼写真3 羽化間もないオカモトトゲエダシャク♂(2012年2月22日)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

3月5日には公園内のトイレで♂の姿も見つけることができた。手に乗せて触角がよく見えるように撮ってみる(写真4)。

▼写真4 オカモトトゲエダシャク♂(2013年3月5日)
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この種の♂は灯火に来るが、♀は灯火に来ないので、トイレの灯りにひかれてくるのは♂ということになるのだろう。

3月8日にはやはり公園内のトイレでトビモンオオエダシャクを見つけた。
壁にピタリと張り付いているとかなり大きく見える(写真5)。

▼写真5 トビモンオオエダシャク♀(2013年3月8日)
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昨年は3月20日に見ているので、こちらはかなり早い出現になる。
公園内でも人の出入りの多いトイレのため、ゆっくり写真が撮れない。手に乗せて外に出してみたところ、糸状の触角が見えたので♀のようだ。
この種はオカモトトゲエダシャクと違って♀も灯火に来るのだろう。
この蛾の幼虫は結構見かけるのだが、成虫にはなかなか出会えない。昨季は♂の姿を一度見たきりだったが、かなり立派な櫛歯状の触角をしていた(写真6)。

▼写真6 トビモンオオエダシャク♂(2012年3月20日)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

この♂は、おはるさんの観察仲間であるAさんがトイレで見つけて教えてくださった。写真は外の木の幹に移して撮影している。
今季は裏高尾方面の電柱にとまる♂の姿も見ている。

トビモンオオエダシャクを見つけたのと同じ日、主フィールドを散策した時には必ず覗いてみるトイレで、天井付近にスズメガらしきものがとまっていた。
クシャッとした翅の感じから、どうもホシヒメホウジャクのようだ(写真7)。

▼写真7 公園内のトイレ天井にとまるホシヒメホウジャク(2013年3月8日)
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逃げられるのを覚悟の上でスケールで突ついてみると、一本の蜘蛛の糸のようなものと一緒に床に落ちた。
ひょっとすると蜘蛛にからめとられそうになっていたのかもしれない。既に死んでいるのかと思ったが、手に乗せてしばらくすると動き始め、片手で写真を何枚か撮っているうちに元気に飛んでいった(写真8)。

▼写真8 ホシヒメホウジャク側面(2013年3月8日)
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ネットでホシヒメホウジャクを検索してみると、発生時期は6月〜10月くらいらしい。
いくら暖かい日が続いたと言っても3月上旬は早すぎるのではないだろうか。
あるいはこの個体は成虫越冬したのかもしれない。

撮影機材:※印以外はニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
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# by mikiosu | 2013-03-14 12:50 | | Comments(0)

今季のフユシャク(2012年12月〜2013年3月)(2013年3月13日現在)

私がフユシャクを熱心に撮りはじめたのは昨季からで、翅の退化した♀を見たのも昨季が初めてだ。
井の頭公園を主フィールドにしているので、それほど珍しい種がいるわけではないが、郊外で撮ったものも含めて昨季は14種(♂14種、♀11種)見られた。
♀が見られなかったのは、イチモジフユナミシャク、シモフリトゲエダシャク、シロトゲエダシャクの3種で、いずれも主フィールド以外で♂を見つけた場合だった。
今季はこれらの♀も見たいと思っていた。

▼エメラルドグリーンの綺麗なイチモジフユナミシャク♀(2013年1月4日、N川公園)
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昨季主フィールドでは一度も見られなかったシモフリトゲエダシャク♂、イチモジフユナミシャク♀は今季になって主フィールドでも見られたのだが、前者の♀、後者の♂は残念ながら確認できなかった。

▼触角の立派なシモフリトゲエダシャク♂(2013年2月7日、N川公園)
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この冬はあまり郊外に出かけなかったので見る機会がなかったシロトゲエダシャクも、3月11日に今季初遠征した裏高尾方面で首尾よく♂♀を見つけることができた。

▼肩パッドが凛々しい(?)シロトゲエダシャク♀(2013年3月11日、裏高尾方面)
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昨季には交尾も見られたウスモンフユシャクを今季は見逃してしまったので1種類減ってしまったが、これで合計13種(♂13種、♀12種)となり、ウスモンフユシャクを除いて見られるものはほぼ見たと言えそうだ。
3〜4月に見られる種もあるので、運が良ければ今季もう少し増えるかもしれないが、ひとまず総括してみた。

・リスト
クロスジフユナミシャク♂♀、クロオビフユナミシャク♂♀、チャバネフユエダシャク♂♀、シロオビフユシャク♂♀、クロバネフユシャク♂♀、イチモジフユナミシャク♂♀、ウスバフユシャク♂♀、ナミスジフユナミシャク♂♀、クロテンフユシャク♂♀、シロフフユエダシャク♂♀、シモフリトゲエダシャク♂、ヒロバフユエダシャク♂♀、シロトゲエダシャク♂♀。
(ほぼ発生順。うち、イチモジフユナミシャク♂はK公園、シロトゲエダシャク♂♀は裏高尾方面、それ以外はすべて主フィールドにて確認)

・備考
今季はナミスジフユナミシャクが昨季に比べて多く見られた他、クロバネフユシャクは、シロオビフユシャクとほぼ同じ時期から発生するが(12月下旬)、シロオビフユシャクが1月中旬までしか見られなかったのに対し、クロバネフユシャクは3月になっても♂♀ともに見られ、発生時期がかなり長いように思われた。
シロフフユエダシャクもヒロバフユエダシャクより先に発生したが、♂に関してはヒロバフユエダシャクがあまり見られなくなってからも見られ、
「シロフフユエダシャク♂はまだいるのか」
と公園を歩きながら何度か思ったものだ。
12月にクロスジフユナミシャクを見かけて以来、主フィールドではフユシャク類を見ない日は一日もなかったが、3月に入って春の蛾も見られるようになり、3月12日にこの記録が途絶えた。

撮影機材:ニコンD7000、AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
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# by mikiosu | 2013-03-13 10:24 | | Comments(2)