美麗なオニグモたち(過去編)(2013年6月14日)

関東地方にも少しまとまった雨が降り、湿地の生き物たちもひと安心とはいかないまでも、ひと息つけたことだろう。

さて、3、4月に「ハエトリグモはお好き?」のタイトルでハエトリグモを紹介した。5月にもやるつもりでいたが、月末にはもうゼフィルス類がどんどん出てきてタイミングを失ってしまった。
そろそろまたハエトリグモを紹介しようと思ったが、その前に一度大きな蜘蛛、オニグモたちを紹介してみたい。
○○オニグモという名は多いが、オニグモ科ではなく、コガネグモ科オニグモ属の蜘蛛たちだ。
都内の公園で見かける大きな蜘蛛と言えば大体ジョロウグモかコアシダカグモではないかと思うが、ちょっと近郊に脚をのばすとオニグモ類も結構見られる。
オニグモ類の多くは黒や焦茶色で愛想の乏しいイメージがあるが、どうしてどうして、なかなかの美麗種も少なくない。
これまでに撮影したオニグモ属の中からいくつかピックアップしてみた。

写真1、2はビジョオニグモ♀。
これは拙宅から近い都区内の公園で見つけた。最初は葉上の巣の中にこもっていたが(写真1)、しつこく写真を撮っているとはい出してきて、綺麗な背面を見せてくれた(写真2)。
これのどこが美女なのかと問われるとちょっと答えに窮するが…。
図鑑によると、模様が美しいからということになっている。

▼写真1 ビジョオニグモ♀ その1a 巣の中にて(2011年12月12日、東京都区内)
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▼写真2 ビジョオニグモ♀ その1b 背面(2011年12月12日、東京都区内)
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写真3、4はアオオニグモ♀。ビジョオニグモとちょっと似ている。
蝶を探しに行った林道で見かけた。緑色の蜘蛛は初めてだったので、ちょっと感動した(笑)。
背面も綺麗だが側面、腹面も緑色で、巣の一部には金色の糸が使われている。
こんな蜘蛛もいるのかと、林道を歩く足取りが軽くなったものだった。
ビジョオニグモとアオオニグモは生息環境が重なるが、前者は秋に多く、後者は春に多いと言う。
ビジョオニグモにはまだ一度しか出会ったことがないが(2013年6月現在)、アオオニグモには時折出会う。

▼写真3 アオオニグモ♀ その1a 背面(2011年6月22日、東京都・林道脇)
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▼写真4 アオオニグモ♀ その1b 側面(2011年6月22日、東京都・林道脇)
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写真5、6は緑色つながりでサツマノミダマシ♀。
これは主フィールドの公園内施設の外壁で見つけた。
腹部側面も緑色をしている。
この名はサツマの実に似ていることから、サツマの実・騙し、でサツマノミダマシということらしい。サツマの実とはハゼノキの実のこと。

▼写真5 サツマノミダマシ♀ その1a 背面(2012年7月11日、東京都)
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▼写真6 サツマノミダマシ♀ その1b 側面(2012年7月11日、東京都)
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写真7、8はワキグロサツマノミダマシの♀と♂。
同じ日に東京郊外の林道脇の葉上で見つけた。
サツマノミダマシに似ているが、腹部側面が黒っぽいのが特徴。
サツマノミダマシとワキグロサツマノミダマシはヒメオニグモ属の蜘蛛だ。

▼写真7 ワキグロサツマノミダマシ♀(2011年8月16日、東京都・林道脇)
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▼写真8 ワキグロサツマノミダマシ♂(2011年8月16日、東京都・林道脇)
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写真9、10はコケオニグモ♀。
一昨年の夏、帰省中に標高約700メートルの高原で見つけた。
写真9はコエゾゼミをわしづかみにしている様子。セミが蜘蛛の巣にかかっているのは珍しいことではないが、決して小さいセミではないコエゾゼミを、一本の糸でぶら下がりながらわしづかみしている姿にびっくりした。
写真10は次第に糸を伸ばして下草の上に着地したところ。これからゆっくりコエゾゼミの料理にかかるのだろう。
図鑑によるとコケオニグモは採集例が少なく、希少な蜘蛛らしい。
ウメノキゴケなど緑色の苔の生えた樹皮を好むらしいので、そういう木の幹をチェックしたりしているが、その後は出会ったことがない。

▼写真9 コケオニグモ♀&コエゾゼミ その1a(2011年8月8日、岩手県)
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▼写真10 コケオニグモ♀&コエゾゼミ その1b(2011年8月8日、岩手県)
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写真11、12はイシサワオニグモ♀。
林道脇で巣を張っていたのを見つけた。
写真が下手で申し訳ないが、オレンジ色の美しい蜘蛛だ。

▼写真11 イシサワオニグモ♀ その1a(2012年10月19日、東京都・林道脇)
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▼写真12 イシサワオニグモ♀ その1b(2012年10月19日、東京都・林道脇)
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※写真11、12はニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

これらの蜘蛛は一昨年と昨年の写真ばかり。
今年はどうもこうした出会いが少ない。蝶や蜻蛉ばかりではなく、こうした方面ももっと観察しないといけないかなと少し反省。

参考サイト:虫Navi、ほか
参考文献:『ネイチャーガイド 日本のクモ』(新海栄一編著、文一総合出版)

撮影機材:※印以外はニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

# by mikiosu | 2013-06-14 00:01 | 蜘蛛 | Comments(0)

ゼフィルスの三種の神器−−ミズイロオナガシジミほか(2013年6月13日)

平地性ゼフィルス6種のうち、近隣の公園で見られるのはアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミの3種で、私はこれを三種の神器と個人的に呼んでいる。
ミドリシジミもほんのプチ遠征先にいることはいるが、なかなか出会えない。
オオミドリシジミやウラゴマダラシジミに至っては、拙宅から1時間半〜2時間近くかかる場所まで遠征しないと出会えない。
そんな訳で、遠くのウラゴマダラシジミやミドリシジミも良いが、近隣で見られる三種の神器を大事にしないといけない。
もっとも、今日掲載する写真も遠征先で撮った蝶ばかりだ…(苦笑)。

写真1〜3はアカシジミ。
写真1は腹部がポッテリしていて♀っぽく見えた。
写真2、3は同一個体で、これも腹部がポッテリして見えた。

▼写真1 アカシジミ その1(2013年6月1日、埼玉県)
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▼写真2 アカシジミ その2a(2013年6月3日、神奈川県)
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▼写真3 アカシジミ その2b(2013年6月3日、神奈川県)
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写真4〜6はウラナミアカシジミ。
写真4、5は同一個体で、葉上をクルクル廻っていた。少し翅を開き加減で後ろを向いた時、表翅が少し見えた。前翅頂の黒斑から♀と思われる。
写真6も腹部がポッテリして見える。

▼写真4 ウラナミアカシジミ♀ その1a(2013年6月1日、東京郊外)
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▼写真5 ウラナミアカシジミ♀ その1b 半開翅(2013年6月1日、東京郊外)
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▼写真6 ウラナミアカシジミ その2(2013年6月5日、東京郊外)
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写真7〜11はミズイロオナガシジミ。
アカシジミ&ウラナミアカシジミももちろん良いのだが、ミズイロオナガシジミの清楚なたたずまいが私は結構好きだ。
写真7はちょうど触角が2本綺麗に並んでいた。

▼写真7 ミズイロオナガシジミ その1(2013年6月3日、神奈川県)
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写真8、9は草むらにいた個体を手に乗せてみたところ。
写真8は開翅しているように見えるが、右翅がやや外側に曲がっていた。
写真9は指先から手のひらを通り過ぎて肘まで上がってきたのを撮ったもの。

▼写真8 ミズイロオナガシジミ その2a(2013年6月3日、神奈川県)
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▼写真9 ミズイロオナガシジミ その2b(2013年6月3日、神奈川県)
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写真10、11は同一個体。
公園内の斜面の手前にある笹の葉上にとまったので、背景が綺麗に抜けた。

▼写真10 ミズイロオナガシジミ その3a(2013年6月4日、東京郊外)
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▼写真11 ミズイロオナガシジミ その3b(2013年6月4日、東京郊外)
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シジミチョウ類の中でも、このミズイロオナガシジミとゴイシシジミを見ていると特にそう思うのだが、白く細い脚を踏ん張っているような立ち姿がとても可愛らしい。

撮影機材:ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-06-13 00:01 | | Comments(2)

今年のゼフィルス撮り納め?(2013年6月12日)

5月22日、31日、6月3日、6日と行った神奈川県の公園に、9日にまた行ってしまった。
6月3日の早朝にミドリシジミがたくさん見られたようなので、9日は朝4時半頃に自宅を出て、公園には6時半頃到着。やはり2時間くらいかかる。
日曜日ということもあってか、朝早いというのにミドリシジミのポイントには既に数人のカメラマン氏が来ていた。
さあ、今日は撮り放題になっているだろうか。
…びっくりした。
ミドリシジミはまったくいなかった。
天気も良く、撮影日和と思っていたのが、まったくあてが外れてしまった。
それでも時間が早いのであちこち歩き回り、昼までには何とか数個体の写真は撮れた(写真1〜3)。
開翅してくれなかったので確信はないが、写真1、2が♀と思われ、写真3だけが♂だった。

▼写真1 ミドリシジミ♀ その1(ノートリミング、2013年6月9日、神奈川県)
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▼写真2 ミドリシジミ♀ その2(2013年6月9日、神奈川県)
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▼写真3 ミドリシジミ♂(ノートリミング、2013年6月9日、神奈川県)
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何しろ朝早くから歩き回っているので昼には疲れて撤収した。
午後からのんびり出かけた6日はともかく、3日にはあんなにたくさん見られたミドリシジミが、朝からほとんど見られないとは…。
帰りに寄った写真展会場で地元の方と少し話をすると、前日は蝶の出が良かったらしい。
まったく生き物相手の商売は難しい(いや、商売じゃないから)。
今年はもうミドリシジミを撮ることもないだろうか…。

天気が微妙な情勢になってきた6月10日は遠征せず、のんびり近場の公園に行ってコフキトンボなどを撮っていた。
そういえばこの公園でもミドリシジミが見られるはずだとハンノキをチェックして歩くと、思いがけず見つけた(写真4、5)。
思いがけず、というのは、昨年も何度も探したがまったく見られなかったからだ。

▼写真4 ミドリシジミ♀(2013年6月10日、都区内の公園)
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▼写真5 ミドリシジミ♀&ヒメジャノメ(2013年6月10日、都区内の公園)
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昨年は都内でミドリシジミが見られそうな公園に何度も出かけたが、いずれも空振りに終わり、結局神奈川県まで脚をのばして撮影したのだった。
昨年の記録を調べてみると、6月中旬までに都内の公園2箇所に計4度行って、見ることができなかった。
2012年6月13日には二箇所を廻っている。その翌日の2012年6月14日に、ミドリシジミがよく見られると評判の神奈川県の公園に行ってみて、プロフィール画像に使用している開翅写真が撮れたのだった。
そんな訳で、今年は最初から都内で撮るのは半ば諦め、神奈川県まで撮りに行っていたのだ。
都内でミドリシジミを撮ったのは2年振りになる。
久し振りに見てみると何だかパッとしない写真だが(苦笑)、一昨年の写真も掲載してみる(写真6、7)。
ミドリシジミを見たのはこれが初めてだったので、こんな写真でも撮れただけで嬉しかった。今思うとかなり距離があったようだ。
飛び立つ時にチラリと見えた表翅から♂のようだった。

▼写真6 一昨年撮影のミドリシジミ♂ その1a(2011年6月15日、東京近郊)
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▼写真7 一昨年撮影のミドリシジミ♂ その1b(2011年6月15日、東京近郊)
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※写真6、7はニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO


このミドリシジミの写真をしげしげ眺めて、シジミチョウ類は眼が可愛いと思ったのを覚えている。

さて、朝から何だか徒労に終わったような6月9日だが、今季やっと2個体目のウラゴマダラシジミに出会えた(写真8〜10)。

▼写真8 ウラゴマダラシジミ その1a(ノートリミング、2013年6月9日、神奈川県)
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▼写真9 ウラゴマダラシジミ その1b(2013年6月9日、神奈川県)
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▼写真10 ウラゴマダラシジミ その1c(2013年6月9日、神奈川県)
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擦れてはいても、これで開翅写真でも撮れれば朝早く行った甲斐もあったというもの。
私としては珍しくこの蝶の前で30分も粘ったが、残念ながら翅は開いてくれなかった。念のために持って行ったLEDライトも試してみたが(ライトを当てると翅を開くと言われている)、効果はなかったようだ。どうやら開翅写真のお楽しみは来年まで持ち越しということになりそうだ。

平地性ゼフィルスを追い求めるのもそろそろ終わりだろうか。
6月のゼフィルスの季節が終わると、何だかひと山越えてしまったような、一抹の寂しさを感じるが、今後はヒョウモンチョウ類とオオムラサキが待っている。
コムラサキも昨年は♀を1匹撮っただけなので、今年は♂の大開翅を是非とも撮りたいものだ。

撮影機材:※印以外はニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-06-12 00:55 | | Comments(4)