羽化間もないニホンカワトンボ(2013年4月26日)

ダビドサナエ、シオヤトンボ、シオカラトンボに続いて、ニホンカワトンボ(※1)が見られるようになった。
ニホンカワトンボはなかなか敏感なトンボで、思うように近づけない場合が多い。必ずと言っていいほど、もう一歩というところで飛んで逃げられる。
ところが4月22日に見かけた個体は、あまり逃げず、逃げてもすぐ近くにとまって、ゆっくりと写真を撮らせてくれた。
写真1〜3は♀、写真5、6は♂である。
これらの個体は複眼の色などから、すべて羽化間もない個体と思われる。羽化間もないために遠くまで逃げず、じっとしてくれていたのだろう。
参考までに昨年撮影した♀(写真4)、同♂(写真7)を一緒に載せてみる。

▼写真1 羽化間もないニホンカワトンボ♀ 無色翅型(2013年4月22日、東京都)
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▼写真2 同上(2013年4月22日、東京都)
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▼写真3 同上(2013年4月22日、東京都)
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▼写真4 昨年撮影の成熟したニホンカワトンボ♀ 無色翅型(2012年5月16日、東京都)
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※ニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

▼写真5 未成熟のニホンカワトンボ♂ その1 橙色翅型(2013年4月22日、東京都)
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▼写真6 未成熟のニホンカワトンボ♂ その2 橙色翅型(2013年4月22日、東京都)
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▼写真7 昨年撮影の成熟したニホンカワトンボ♂ 無色翅型(2012年5月11日、東京都)
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※ニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

さて、カワトンボはいろいろと厄介なトンボだ。ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの識別はかなり難しい。
『ネイチャーガイド 日本のトンボ』(尾園暁、川島逸郎、二橋亮著、文一総合出版)によると、従来ヒガシカワトンボと呼ばれていた東日本の個体群の大部分と中部日本以西のオオカワトンボと呼ばれていた個体群はニホンカワトンボとなり、ニシカワトンボ、ヒウラカワトンボ、及びヒガシカワトンボの一部がアサヒナカワトンボと呼ばれることになった。
同書掲載の分布域の境界線がどうもはっきりしないが、東京はニホンカワトンボしか生息しない単独生息域(東日本か、または太平洋側・中部山岳地域に含まれるようだ)になっており(ただし、都内にアサヒナカワトンボが生息していないかどうかは確証がない)、この地域のニホンカワトンボは橙色翅型♂、無色翅型♂、無色翅型♀の3種類しか発生しないことになっている。
しかし、2011年には淡橙色翅型の♂♀の写真を撮っているようなので、どうも図鑑通りにはいかないような気がする。今年はもう少しよく観察してみたいと思う。

まあ、詳しいことは図鑑を参照していただくとして、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの識別ポイントを一つだけ紹介しておく。
写真8はニホンカワトンボの頭部と胸部(翅胸)だ。
頭部(左目の左端から右目の右端まで)の幅が、翅胸高さより狭いのがニホンカワトンボ、逆に翅胸高さより頭部の幅が広いのがアサヒナカワトンボの特徴だ。
言い換えれば、ニホンカワトンボは胸部が大きいと言うこと。
そうは言ってもなかなかピンと来ないかもしれない。
図鑑や写真などではかなり似ていても、生きた個体を見ると違いが案外と分かる場合もあるが、どうだろうか。

▼写真8 ニホンカワトンボ♂ 頭部と翅胸(写真6と同一個体)
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ニホンカワトンボ♂の縁紋は赤く、♀の縁紋は白い。
上に掲げた写真5、6は縁紋が白いが、これは未成熟の♂である。
問題は縁紋が白い未成熟♂と♀をどう見分けるかだが、一番分かりやすいのは腹部先端の形状を見ることだろう(写真9、10)。

▼写真9 ニホンカワトンボ♀ 腹部先端(写真3と同一個体)
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▼写真10 ニホンカワトンボ♂ 腹部先端(写真5と同一個体)
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この方法は他のトンボでも応用できるので、トンボを撮る時にはできるだけ先端部分も鮮明に写るようにしたい。
なお、ニホンカワトンボは絶滅危惧種なので、撮影地は東京都としておく。

最後におまけ。
◎今日のニャンコ ♪(2013年4月22日、東京都)
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(※1)ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの識別は難しく、間違えている可能性があります。ご注意ください(2014年5月15日記)。

参考文献:『ネイチャーガイド 日本のトンボ』(尾園暁、川島逸郎、二橋亮著、文一総合出版)

撮影機材:※印以外はニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-26 23:46 | 蜻蛉 | Comments(0)

ツバメシジミ、♂と♀のどっちがお好み? (2013年4月25日)

4月22日付けのヤマトシジミに続いて、今回はツバメシジミの♂と♀を比較してみる。
今年は♂が4月12日、♀は4月13日が初撮りだった。
ツバメシジミ♂は、ヤマトシジミ♂に比べると表翅の青がやや濃く、光沢があるような感じがする(写真1〜3)。
後翅表翅にある橙色の紋がもっと出ていると良いと思うが、そういう個体に限って全開してくれなかった(写真3)。

▼写真1 ツバメシジミ♂ 開翅(2013年4月12日、東京都)
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▼写真2 ツバメシジミ♂ 開翅(2013年4月12日、東京都)
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▼写真3 ツバメシジミ♂ 半開翅(2013年4月12日、東京都)
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写真4〜6は♂を見かけた翌日、河川敷で撮影した♀たち。
何だかどれも帯に短し、襷に長しで、青い鱗粉がのっていると撮影条件が悪く、全開していると青鱗粉がのっていない。

▼写真4 ツバメシジミ♀ 開翅(2013年4月13日、東京都)
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▼写真5 ツバメシジミ♀ 開翅(2013年4月13日、東京都)
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▼写真6 ツバメシジミ♀ 開翅(2013年4月13日、東京都)
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写真7は、昨年(2012年)4月下旬に撮った個体で、この時初めてツバメシジミ♀の開翅がなかなか綺麗なのだと意識したように思う。
ピントも甘くとても褒められた写真ではない。と言うか、けなされて然るべきような写真だ(苦笑)。それでもファインダーで覗いた時の美しさをよく覚えていて、その後チャンスがあれば撮ってみようと思うようになった。

▼写真7 ツバメシジミ♀ 開翅(2012年4月29日、立川市)
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※ニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

今年の春先もなかなか思うような♀の開翅写真は撮れていない。
過去画像をひっくり返してみると、一昨年(2011年)5月にこんな写真を撮っていた(写真8)。
この時にどうしてこの美しさに気が付かなかったのだろうか…。
この頃はまだ蝶を熱心に撮る気持ちがなかったのかもしれない。
それから2年、未だにこれ以上の写真は撮れていないようだ。今年はもうちょっと頑張らないといけないな。

▼写真8 ツバメシジミ♀ 開翅(2011年5月4日、江戸川区)
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※ニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

最後におまけ。開翅写真ばかりなので、昨夏の写真だがキツネノマゴの花にとまるやや翅を閉じ加減の♀。
ほんの少し開いた表翅の黒がやはり美しく感じる。

▼写真9 ツバメシジミ♀ 半開翅(2012年7月27日、三鷹市)
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※ニコンD90 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

さて、こうして見るとヤマトシジミ、ツバメシジミともに♂の水色も良いが、被写体としては渋い味わいのある♀の方に軍配が上がるように思える。
だからといって♀だけを追いかけるかと言うとそうでもなく、♂の鮮やかな水色と♀の渋い黒褐色が対になって、より美しく感じるのではなかろうか。どうもそんな気がする。

撮影機材:※印以外はニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-25 04:40 | | Comments(0)

タンポポに集まる昆虫たち(2013年4月24日)

都内の公園や野山に咲くタンポポのほとんどは、セイヨウタンポポかカントウタンポポだ。
セイヨウタンポポは総苞が反り返っているので、花を裏返してみれば区別がつく。
まあそんなことはどうでもいいかもしれないが、昆虫たちにはどちらのタンポポが美味しいのだろうか。それとも同じようなものなのだろうか。
両方のタンポポが混生する場所で、どちらのタンポポに人気があるのか観察してみるのも面白いと思ったりしていたが、いつの間にか忘れてしまっていた。
いちいちしゃがんで花を裏返してみるのも面倒くさいしね(笑)。
そんなわけで単なるタンポポ&昆虫の写真になってしまったが、この春にタンポポに来ているのを見かけた昆虫の写真を紹介してみる。

春のこの時期によく見かけるのがモモブトカミキリモドキだ(写真1、2)。
前翅先端部分がピッタリ閉じないで、後翅が見える個体が多いのもこの種の特徴だ。
その名の通り腿(後脚)が太いのだが、それは♂だけで、♀はそんなことはない(写真2)。

▼写真1 モモブトカミキリモドキ♂(2013年4月12日、三鷹市)
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▼写真2 モモブトカミキリモドキ♀(2013年4月17日、東京都)
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ハムシ類もタンポポには来ているようだが、名前が分からなかったりする。
写真3はウリハムシ、写真4はルリマルノミハムシだと思う。

▼写真3 ウリハムシ(2013年4月17日、東京都)
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▼写真4 ルリマルノミハムシ(2013年4月17日、東京都)
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スゲハムシは初めて見た(写真5、6)。
この日はあちこちの花でたくさん見かけたので、個体数は少なくないのだろう。赤銅色から青いものまで、色の個体変異が多いようだ。
スゲハムシは別名キヌツヤミズクサハムシともいうそうだ。この日は結構見かけたのだが、東京都では絶滅危惧種に指定されているらしい(よってこの日同じ場所で撮った昆虫はすべて東京都としておく)。

▼写真5 スゲハムシ 赤銅色タイプ(2013年4月17日、東京都)
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▼写真6 スゲハムシ 青色タイプ(2013年4月17日、東京都)
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春にタンポポで見かける昆虫の定番と言えばヤブキリ幼虫だろう。毎年よく見られる(写真7)。

▼写真7 ヤブキリ幼虫(2013年4月17日、東京都)
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ヒメギスも都内でよく見かける昆虫だが、幼虫がタンポポに来ているのは初めて見た(写真8)。

▼写真8 ヒメギス幼虫(2013年4月17日、東京都)
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フキバッタは野山ではよく見かけるが、やはりタンポポで見ることはあまりなかった(写真9)。
フキバッタには似たような種がいろいろあり、種名まではよく分からない。と言うか近づいてよく撮ろうと思ったら逃げられてしまった。

▼写真9 フキバッタ幼虫(2013年4月17日、東京都)
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ハラナガツチバチは夏〜秋に見かけるイメージがあったが、春にもいるようだ(写真10)。
この種もハラナガツチバチ、オオハラナガツチバチ、キンケハラナガツチバチ、ヒメハラナガツチバチとあってややこしい。
この個体は触角が短く、腹部の黄色い帯が毛束なので♀。胸部に毛が少なく、翅先がやや褐色を帯びていることからヒメハラナガツチバチ♀と判断した。

▼写真10 ヒメハラナガツチバチ♀(2013年3月28日、武蔵村山市)
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写真11、12はヤマトセンブリだ(と思う)。よく分からないが、希少な昆虫なのかもしれない。
これだけタンポポにとまっていないが、よく見るとタンポポの花粉らしき粉があちこちに付着していたのでついでに載せてみた。
この辺りに生息していることは以前何かで読んだ気がする。だからと言って特に探していた訳ではなく、蝶や蜻蛉を探してキョロキョロしていると、たまたま目についただけだ。
以前クロセンブリを見たことがあるので、センブリの仲間だとはすぐに分かったが、ネグロセンブリの可能性もないではない。ネグロセンブリは前翅の付け根がやや黒っぽいとのことなので、この個体はそうは見えない。従ってヤマトセンブリと判断した。

▼写真11 ヤマトセンブリ(2013年4月17日、東京都)
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▼写真12 ヤマトセンブリ 背面(2013年4月17日、東京都)
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撮影機材:ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-24 05:20 | 甲虫 | Comments(0)