フチグロトゲエダシャク悪戦苦闘(2013年3月22日)

3月某日、野川公園で偶然お会いしたI氏のお誘いで、東京郊外のとある河川敷にフユシャク探しに行くことになった。
I氏は一週間前に既に撮影済みなのだが、今回は私の案内役を買って出てくれた。
お目当てのフチグロトゲエダシャクは早春に出るフユシャクの仲間である。
昼行性の蛾で、午前中から12時頃までが活動時間らしい。
この時間帯には、羽毛状に発達した触角を持つ♂が♀を探して飛び回る姿が見られ、午後になるとあまり飛ばなくなるという(参考サイト=日本産フユシャクWEB図鑑)。
現地に着いたのは10時半頃。早速土手を降りて河川敷を歩いてみる。
いるいる! あっちにもこっちにも飛んでいる。
これならバッチリ写真が撮れると思ったが、意外にこれからが大変なのだった。
昨年4月下旬のこと、ギンイチモンジセセリ春型を見に行った場所で、この日同行してくれたI氏とばったり遭遇し、飛び回ってなかなか止まってくれないギンイチモンジセセリを一緒に探したことがある。フチグロトゲエダシャクがいるという河川敷は何だか似たような環境だ。
歩き回っているとふいに足元から飛び立っていくのだが、飛んでいる♂の姿を眼で追っていても、必ずと言っていいほどとまる前に見失ってしまう。
二手に分かれて探しまわるが、闇雲に歩いてもなかなか見つからない。
そうこうするうちに、I氏がコセンダングサの実に絡まっているのを見つけてくれた(写真1、2)。

▼写真1 フチグロトゲエダシャク♂ その1(2013年3月16日、東京都)
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▼写真2 同上(2013年3月16日、東京都)
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絡まっている触角をほどいてから撮ってみたが、触ったためにちょっと擦れてしまったようだ(写真3)。

▼写真3 同上(2013年3月16日、東京都)
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取りあえず1個体は撮れたので、また歩き回って別の個体を探す。河川敷でおっさん二人がカメラを抱えて歩き回っている姿は、堤防を行き交う人たちの眼にどう映るのだろうと思いつつ、黙々と探し続ける。
見つからない! 
飛んでいる姿はたくさん見かけるのに、まったく近くに寄れず、時間だけが過ぎていく。
しばらくすると年配のご婦人がやってきて、一緒に探してくれた。
やがてこのご婦人がとまっている個体を見つけ、私の方に手招きをする。急いで近づくと、もう少しのところで飛ばれてしまった。
12時を過ぎた頃、再びこのご婦人が弱って飛べなくなっている♂を見つけてくれた。すごい!
これ幸いと裏から表から写真を撮らせていただく(写真4、5)。
実はこの個体も、いい位置に移動させようと私が翅に触ってしまい、擦れてしまった(汗)。

▼写真4 フチグロトゲエダシャク♂ その2(2013年3月16日、東京都)
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▼写真5 同上(腹面、2013年3月16日、東京都)
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その後12時半まで粘り、やや離れた場所にとまっている個体を見つけ、擦れのないまずまずの写真が撮れた(写真6)。これは1枚だけ撮ったら飛ばれてしまった。

▼写真6 フチグロトゲエダシャク♂ その3(2013年3月16日、東京都)
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考えてみると私はお二人に見つけてもらい、擦れ個体にしたあげく、擦れていないのは一人で撮っている。お二人に何の貢献もしていないどころか脚を引っぱってばかりだ(泣)。

あとで聞くと、I氏は知り合いの方にこの場所を教えてもらったそうだが、その方にこの場所を教えたのはこのご婦人だったらしい。
フチグロトゲエダシャク、写真では見たことがあったが、都内の河川敷で見られるとは思ってもいなかった。この日案内してくれたI氏と、場所情報をくださったご婦人に感謝したい。
感謝しつつ、一人で撮った最後の写真のことは内緒にしてある(笑)。

三日後、今度はもう少し良い写真が撮りたい。あわよくば♀も見つけたい。そんな思いで同じ河川敷に一人で出かけてみた。
前回よりやや遅めの11時頃現地に着く。
河川敷を歩くと、どうも様子が違う。飛翔する♂の姿がまったくといっていいほど見られない。
たった三日でこれほど変わるのかと思うほど、全然飛んでいないのだ。
「まあ、生き物相手だとこういうこともあるわな…」
たくさん飛んでいてもろくに見つからないのに、これでは無理だと最初から諦めムードが漂ってしまった。
それでも2時間ほど一人で黙々と探し歩く。♀はおろか飛んでいる♂の姿すらわずかに散見される程度で、仕方なくモンキチョウやベニシジミなどを撮ってお茶を濁す。
そんな私を哀れに思ったのか、どうにか1匹だけとまっている個体を見つけることができた。
もう一歩近くに寄りたかったが、離れたところから3ショット撮っただけで飛ばれてしまった(写真7、8)。

▼写真7 フチグロトゲエダシャク♂ その4(ノートリミング、2013年3月19日、東京都)
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▼写真8 同上(大幅にトリミング、2013年3月19日、東京都)
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この日は昼過ぎになって、ベニシジミの姿もちらほら見られた。ベニシジミは今年初見なので、何枚か写真を撮っておく(写真9、10)。
ベニシジミはいい子だ。近づいても逃げず、良いモデルになってくれる。

▼写真9 ベニシジミ その1(2013年3月19日、東京都)
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▼写真10 ベニシジミ その2(2013年3月19日、東京都)
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撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

by mikiosu | 2013-03-22 00:01 | | Comments(4)

Commented by おはる at 2013-03-23 09:48 x
フチグロを見つけ撮る難しさがよくわかりました。
来年は挑戦してみたいです。
Commented by みき♂ at 2013-03-23 15:55 x
おはるさん、こんにちは。
今年はもう無理かもしれませんね。
私も来年また挑戦したいと思っています。
挑戦しがいのある相手です。
Commented by だんちょう at 2014-05-01 03:27 x
初めまして札幌で昆虫(主に蛾)を撮影しているだんちょうといいます。

憧れのフチグロトゲを検索してたどり着きました。

色々参考にさせて頂きましたが、なかなか難しいそうですね。

札幌周辺や北海道にもいる様ですがなかなか・・・・


今季はちょっと本腰を入れていますが、午前中が勝負とは知りませんでした。

それにしても惚れ惚れするような写真の数々素晴らしいですね。
またちょくちょく遊びに来ますので宜しくお願い致します。
Commented by みき♂ at 2014-05-01 09:57 x
だんちょう様
ご来訪&コメントありがとうございます。
フチグロトゲエダシャクは、今年も頑張って撮りました。
宜しければ下記のページもご覧ください。
http://mikiosu.exblog.jp/20437846/

だんちょう様の北海道の蛾類、興味深いです。
こちらこそ宜しくお願い致します。
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