5月の残り蛾(2013年6月3日)
5月は蝶やトンボの記事を一生懸命取り上げる一方で、とうとう蛾の順番は廻って来なかった。
本当は蜘蛛や甲虫ももっと掲載しておきたかったのだが…。
東京も梅雨入りしてフィールドに出られない日も多くなりそうなので、おいおいこれらも紹介していきたい。
そんなわけで、5月中に見つけた蛾の中からいくつかピックアップしてみた。
写真1は主フィールドで見つけた、オレンジ色に銀の筋が綺麗なオオギンスジハマキ。オオ〜と付く名の割りには小さい蛾だ。隣に見えるのは羽化殻なのだろう。
▼写真1 オオギンスジハマキ (ストロボ撮影、2013年5月2日、東京都)
写真2はさらに小さいウスベニヒゲナガ。林道脇のベンチにとまっていたのを見つけた。
2〜3枚撮った後にストロボディフューザーを付けてストロボ撮影しようと思ったら、もういなくなっていた。
これはネット上で見かける典型的なウスベニヒゲナガの写真とちょっと違うような感じもするので、同定にはあまり自信が持てない。
♂にしてはやや触角が短い気もするが、ヒゲナガガの♀は触角の基部から半分ほどが黒く太いので、多分♂なのだろう。
▼写真2 ウスベニヒゲナガ♂(2013年5月7日、東京都)
写真3、4はミヤマカラスアゲハを求めて大遠征(?)した林道手前で見つけた蛾たち。
コマバシロコブガは林道手前の電柱にとまっていた(写真3)。前翅がなんだか陶器のような雰囲気だ。
ヒメハイイロカギバは林道入口のバス停脇にある倉庫外壁にとまっていた(写真4)。
ベタッと大開翅してとまることが多いカギバの中では、ちょっととまり方が変わっている。
▼写真3 コマバシロコブガ(2013年5月14日、東京都)
▼写真4 ヒメハイイロカギバ(ストロボ撮影、2013年5月14日、東京都)
オオカギバは6月頃から林道ではしばしば見られる大きな蛾だ(写真5)。昼間飛んでいると蝶のように見えないこともない。
▼写真5 オオカギバ(2013年5月24日、東京都)
マエキカギバは、とある山頂のトイレ外壁にとまっていた(写真6)。人の多い場所なので、トイレの前でカメラを持ってウロウロしていると、そのうち通報されるかもしれない(笑)。
▼写真6 マエキカギバ(2013年5月24日、東京都)
アヤトガリバは繊細な模様を持ち、背面の白い部分が大理石のような蛾だ(写真7)。林道脇に設置された仮設トイレのドアを開けるととまっていた。用を足す前に蛾の撮影だ(笑)。近縁種にオオアヤトガリバという似た種があるので正確な同定は難しい。
この蛾の幼虫が食べる食草はまだわかっていないらしい。
▼写真7 アヤトガリバ(2013年5月24日、東京都)
写真8はクロホシフタオ。ゼフィルス類が出始めた野山で何度か見かけたので、同じ時期に発生する蛾なのだろう。これも近縁種にヒメクロホシフタオという似た種があり、判別は難しい。
▼写真8 クロホシフタオ(2013年5月25日、東京都)
早春の大物蛾の時期も過ぎ、探蛾も今ひとつ力が入らないが、5月にはこんな幼虫を見つけて、ちょっと嬉しかった。
イボタガの中齢幼虫と終齢幼虫だ(写真9、10)。
▼写真9 イボタガ中齢幼虫(2013年5月22日、神奈川県)
▼写真10 イボタガ終齢幼虫(2013年5月15日、東京都)
写真9はゼフィルス狙いで出かけた神奈川方面の公園で見つけた。
写真10はトンボ狙いで出かけた東京郊外の里山で見つけた。
イボタガはその名の通り、イボタノキが食樹だが、写真9はネズミモチの葉を食べていたようだ。ネズミモチもモクセイ科イボタノキ属の樹木だ。
終齢前までは紐状の突起が何本も出ているのに、終齢幼虫になるとなくなるのも何だか面白い。
中齢幼虫は40〜45ミリ、終齢幼虫は75〜80ミリくらいはあったようだ。
こんな幼虫を見つけて何が嬉しいのかと言われる向きもあるかと思うが、蛾を熱心に追いかけていると、このような幼虫との出会いもかなり嬉しかったりするのである(笑)。
参考サイト:みんなで作る日本産蛾類図鑑
撮影機材:ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
by mikiosu | 2013-06-03 00:02 | 蛾 | Comments(2)