ムラサキ三兄弟とルーミスシジミの集団(2018年12月11日)

ムラサキ三兄弟とはムラサキツバメ、ムラサキシジミ、ルーミスシジミのことである。ムラサキツバメとムラサキシジミは都内の公園でも一緒に越冬している姿を時折見ることができる。これにルーミスシジミを加えた三兄弟そろい踏みとなると、ルーミスシジミ自体が希少種なのでなかなか難しい。
12月9日、「てくてく写日記」のbanyanさんのお誘いで急遽ルーミスシジミを見に行くことになった。

今年は例年観察に出かける11月下旬に行きそびれていて、諦めるか、あるいは来週あたり行ってみるか迷っていた。と言うのも今季はルーミスシジミの集団や三兄弟そろい踏みの写真を撮られている方が何人かいたので、諦めきれずにいたところだ。

朝5時半過ぎに拙宅まで迎えに来てもらい、現地到着は8時半過ぎ。片道3時間弱であった。道中はやや天気が怪しかったが時折晴れ間もあったので、空模様はそれほど心配していなかった。気温はかなり低くて、そちらの方が心配だった。

駐車場に着いてからほどなく、もう1台車がきた。「naoggio写真日記」のnaoggioさんご夫妻と「Akakokkoのゆっくりのんびり2」のAkakokkoさんであった。naoggioさんと Akakokkoさんにご挨拶し、総勢5人でポイントに向かう。お二人は11月にルーミスシジミのいる場所をチェック済みなので心強い味方だ。
歩き始めると冷たい風が頬をかすめる。かなり寒い。例年観察に来ている11月下旬は、薄手のジャンパーを現地では脱いでしまうほど暖かいのだが、この日はかなり勝手が違った。

ポイントに着くと早速集団のいる場所を教えていただく。
写真1はムラサキ三兄弟の場所。
ごちゃごちゃしていて分かりにくいが、手前の2匹はルーミスシジミだ。

▼写真1 三兄弟の集団 その1a(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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写真2はやや左によってストロボ撮影したもの。
ムラサキツバメが複数いるのが分かる。

▼写真2 三兄弟の集団 その1b(ストロボ撮影、2018年12月9日、千葉県)
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なんとかルーミスシジミだけでも鮮明に撮りたい(写真3)。

▼写真3 三兄弟の集団 その1c(ストロボ撮影、2018年12月9日、千葉県)
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ルーミスシジミの隣にいるのはムラサキシジミのように見える(写真4)。

▼写真4 三兄弟の集団 その1d(ストロボ撮影、2018年12月9日、千葉県)
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写真5は別角度から。
ルーミスシジミの背面側から撮ったもの。ムラサキツバメが5匹いるのが分かった。この近辺ではムラサキシジミはよく見かけるが、ムラサキツバメはあまり見たことがなかった。

▼写真5 三兄弟の集団 その1e(ストロボ撮影、2018年12月9日、千葉県)
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いろいろな角度から何枚も撮って、ムラサキツバメ5匹、ムラサキシジミ1匹、ルーミスシジミ2匹の計8匹ということが分かった。

写真6、7は日の当たった11時頃の撮影。
それまでの写真と比較すると分かるが、触覚が立ち上がっていて、活動しかけているように見える。しかし、残念ながら飛び出す個体、開翅する個体はいなかった。

▼写真6 三兄弟の集団 その1f(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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拡大するとルーミスシジミのいる位置は葉っぱがちょっと白っぽくなっている。

▼写真7 三兄弟の集団 その1g(2018年12月9日、千葉県)
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この集団の右上には茶色い枯れた葉が引っかかっていて、左上は緑色の葉が覆っている。
ムラサキツバメは上に葉っぱがあって雨をしのげるような葉に集まる傾向がある。ムラサキシジミは自分の裏翅と同じような茶色い場所(引っかかった枯葉など)に潜り込む傾向があり、ムラサキツバメの集団の中にも時折入り込んでいる。
屋根があってムラサキツバメがきて、ムラサキツバメと枯葉の間にムラサキシジミがきて、葉っぱの変色した箇所にルーミスシジミがきて、と言ったことになろうか。

…ここまで考えてから、11月に撮られた方のブログを拝見して、その頃は右上の枯葉はなかったことに気づいた。葉っぱの薄茶色の部分にムラサキシジミがとまっていたようだ。葉っぱの変色した箇所は日陰の時には茶色に、日が当たると白っぽく見えるのでムラサキシジミもルーミスシジミも好きそうな場所、ということか。
小集団の右上に、11月にはなかった枯葉が引っかかったことで屋根が二重になりムラサキツバメがより集まりやすくなったのかもしれない。
とまあ、興味は尽きないけれど、当てずっぽうの駄文はこれくらいにしておこう。

写真8はルーミスシジミの集団。
300ミリでもかなり遠い。

▼写真8 ルーミスシジミの集団 その1a(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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naoggioさんもbanyanさんも脚立を準備しておられた。いつも電車移動の私にこういう装備は難しい。
脚立の上に乗って撮るとこんな感じ(写真9)。

▼写真9 ルーミスシジミの集団 その1b(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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拡大する(写真10)。

▼写真10 ルーミスシジミの集団 その1c(2018年12月9日、千葉県)
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11時過ぎに日が当たると少し動きもあったけれど、開翅シーンは見られず仕舞いであった(写真11)。
それでも6匹の集団が撮れたのは嬉しい。何しろ私はこれまでルーミスシジミの集団を撮ったことがなかったから。

▼写真11 ルーミスシジミの集団 その1d(2018年12月9日、千葉県)
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この日は最高気温が14度の予報で、蝶が飛び出すような感じはまったくなかった。
集団をひと通り撮ってしまうとあまりすることもなかったけれど(笑)、もしものこともあるので、周囲をウロウロして時間を過ごす。
するとあとから合流された千葉のNさんが葉上で静止するルーミスシジミを2匹も見つけてくださった。
写真12は高い位置にいたルーミスシジミ。

▼写真12 ルーミスシジミ その1a(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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写真13は低い位置にいたルーミスシジミ。
「Akakokkoのゆっくりのんびり2」のAkakokkoさんが垂涎ものの開翅シーンを撮られたのはこの個体である。その時私は近くにいたけれど、開翅は短時間で自分にはノーチャンスであった。

▼写真13 ルーミスシジミ その2(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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写真14は両者の中間にいたルーミスシジミ。
これは私が見つけた。3匹ともすべて同じ樹の葉上である。
どの個体もとまっているのは緑色の葉が一部白化しているところであるのがお分かりいただけるだろうか。

▼写真14 ルーミスシジミ その3(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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そう思ってルーミスシジミの6匹集団の写真を仔細に眺めてみる。やはりその葉も中央部分がかなり白化していたようだ。

単独個体の一番高い位置にいた個体は、11時前に日が当たると少しずつ翅を開きはじめた(写真15)。

▼写真15 ルーミスシジミ その1b(2018年12月9日、千葉県)
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やがて全開に(写真16)。
この個体が翅を開きはじめてから全開に至るまではかなりの時間を要した。ファインダーを覗いたまま固唾をのんで見守る我々をもてあそぶかのように…。

▼写真16 ルーミスシジミ その1c(2018年12月9日、千葉県)
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遠いけれどとりあえず開翅シーンも撮れた。写真16は−0.7EVで撮った。もっとアンダーにすべきであった。
同じ露出でもほんのちょっと角度を変えるといい色合いになった(写真17)。

▼写真17 ルーミスシジミ その1d(ノートリミング、2018年12月9日、千葉県)
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拡大する(写真18)。
まだやや明るめかもしれないが、ルーミスシジミの空色のような表翅の雰囲気は出ていると思う。

▼写真18 ルーミスシジミ その1e(2018年12月9日、千葉県)
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11月ならもっと近くで開翅シーンも撮れたであろうがこの日は12月9日、肌寒い日のことを思えば、これだけでも十分である。
それどころかルーミスシジミの集団、三兄弟そろい踏みの写真まで撮れて、今年はもう思い残すことはあるまい(笑)。

お誘いいただいたbanyanさんにはもちろん、現地でご一緒したnaoggioさんご夫妻、Akakokkoさん、千葉のNさん、神奈川のKさんほかの方々にお礼申し上げます。

撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II & M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO&エレクトロニックフラッシュFL-900R

# by mikiosu | 2018-12-11 23:59 | | Comments(20)

写真展のお知らせ2018(2018年12月7日)

近年恒例の日本チョウ類保全協会の企画展「チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~」が下記の要領で開催される。チョウの生態写真(約70点)のほか、絵、保全に関するパネルなどの展示を行う予定。恥ずかしながら私の写真も1枚展示される。
是非ご高覧あれ。

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日時:2018 年12 月18 日(火)~ 12 月28 日(金)9:00 ~ 16:30(25日は休館日、最終日は12時まで)
場所:新宿御苑インフォメーションセンター1F「アートギャラリー」※入場無料(新宿門左側)
アクセス:JR・京王・小田急線:新宿駅南口より徒歩10分
 東京メトロ副都心線・都営地下鉄新宿線:新宿三丁目駅より徒歩5 分
 東京メトロ丸ノ内線:新宿御苑前駅より徒歩5 分
内容:チョウの生態写真・絵画・工芸品・チョウの保全に関するパネル、ほか

<ミニ講演会:22、23 日(土・日)に開催>
22 日(土)
1回目 11:00 ~ 11:30「絶滅の危機にあるチョウを守る」中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
2回目 13:00 ~ 13:30「運命の出会い~トルコのブナ林を舞うタイスアゲハ~」 永幡嘉之(自然写真家)
3回目 15:00 ~ 15:30「飛翔するチョウの魅力と撮影」佐伯元行(日本チョウ類保全協会会員)

23 日(日)
1回目 11:00 ~ 11:30「絶滅の危機にあるチョウを守る」中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
2回目 13:00 ~ 13:30「奇跡の1枚~ロシアの草原で追いつづけたアカハネバッタ~」永幡嘉之(自然写真家)
3回目 15:00 ~ 15:30「高山チョウ~その生態と魅力~」清水晶(日本チョウ類保全協会会員)
※企画展の内容は、日本チョウ類保全協会ホームページにも掲載されているので参照されたい。

# by mikiosu | 2018-12-07 23:59 | | Comments(6)

クロスジフユエダシャク登場(2018年12月4日)

11月26日には主フィールドでクロスジフユエダシャク♂の姿が見られた(写真1)。
フユシャク今季初撮りだ。これはエノキの幼木にとまったところ。

▼写真1 クロスジフユエダシャク♂ その1(ノートリミング、2018年11月26日、東京近郊)
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拡大する(写真2)。

▼写真2 クロスジフユエダシャク♂ その1(2018年11月26日、東京近郊)
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※写真1、2はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark II & M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

その後あまり数は増えない。写真3は一週間後に見つけた♂。

▼写真3 クロスジフユエダシャク♂ その1(ノートリミング、2018年12月3日、東京近郊)
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できれば近づいて特徴あるブラシ状の触覚を激写したいが、思うように近づけない(写真4)。

▼写真4 クロスジフユエダシャク♂ その1(2018年12月3日、東京近郊)
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※写真3、4はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark II & M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

この日は♀も今季初撮り(写真5)。
木柵にとまっていた。

▼写真5 クロスジフユエダシャク♀ その1(ノートリミング、2018年12月3日、東京近郊)
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拡大する(写真6)。

▼写真6 クロスジフユエダシャク♀ その1(2018年12月3日、東京近郊)
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横からも撮っておく(写真7)。

▼写真7 クロスジフユエダシャク♀ その1(2018年12月3日、東京近郊)
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※写真5〜7はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark II & M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

写真8は別個体。

▼写真8 クロスジフユエダシャク♀ その1(2018年12月3日、東京近郊)
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※写真8はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark II & M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

♀も登場して、いよいよフユシャクの季節到来という感じだ。

# by mikiosu | 2018-12-04 23:59 | | Comments(0)