過去の蝶から−−ギフチョウ2012年(2013年4月3日)

スプリング・エフェメラルと呼ばれる蝶たちの中にあっても、ギフチョウは特別な存在だ。
スプリング・エフェメラルは春の妖精とも言われるが、ギフチョウは妖精よりさらに上の『春の女神』と言う名を欲しいままにしている。
関東で唯一ギフチョウが見られる場所が神奈川県にある。
既に今シーズンもギフチョウの発生期になっているのだが、今年はまだギフチョウを見に行っていない。
昨年は3月下旬から気温が上がらず、4月になってもギフチョウを見に行くのに良い日がなかなか訪れなかった。
やっと満を持して行ったのが2012年4月9日である。
拙宅からは電車とバスで行く。現地の最寄り駅で朝8時発のバスに乗るために、自宅を朝6時前に出たのだった。
実際にはもっと遅くても間に合うのだろうが、何しろ8時のバスの次は10時40分になるので、万が一にも遅れたくない。午前中はこの2本しかバスはないのだ。
しかもこのバスに乗れば現地に着く訳ではなく、途中で別のバスに乗り換えなければならない。このアクセスのせいで、神奈川県でギフチョウが見られると分かっていても余程の好き者でなければおいそれとは行けないのだ(笑)。
昨年4月9日、13日、18日と計3回同地に遠征した私は「余程の好き者」を通り越してしまったかも…。
3度行った中ではやはり最初に行った4月9日が一番印象に残っている。初めてだからというのもあるが、蝶の出方がこの日が一番良かったように思う。
現地の山麓でオオイヌノフグリに来ていたギフチョウを初撮りしたのが朝8時50分(写真1)。うっかりするといつもなら寝ている時間だ(苦笑)。

▼写真1 ギフチョウとオオイヌノフグリ(ノートリミング、2012年4月9日、神奈川県)
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取りあえず写真は撮れた。時間はたっぷりあるので山頂まで登ってみる。山の中腹でもひらひら舞う姿が幾度も見られたが、飛翔写真はうまく撮れなかった。
中腹の地面でひと休みする姿は何枚か撮れた(写真2、3)。

▼写真2 地面にギフチョウ その1a(2012年4月9日、神奈川県)
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▼写真3 地面にギフチョウ その1b(2012年4月9日、神奈川県)
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登山中や山頂ではあまり良い写真が撮れないと、山麓で花に来るギフチョウを狙う方たちもたくさんおられる。
写真4〜6はいずれも山麓をうろうろして撮った写真だ。

▼写真4 ギフチョウとカタクリ(2012年4月9日、神奈川県)
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▼写真5 ギフチョウと梅の花(2012年4月9日、神奈川県)
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▼写真6 ギフチョウとアセビ(2012年4月9日、神奈川県)
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現地でバスを待っている時に話した方は、「今年(2012年)は桜の開花が遅れているので、梅の花に来る姿を撮ってみようと思ってきた」と言っておられた。梅の花に来る姿を撮れたのはラッキーだったのかもしれない。
四日後の4月13日、また同じ時間帯に遠征する。
4月9日にはまだあまり咲いていなかった桜の花もようやくほころび、桜に来る姿もなんとか撮れた。
写真7〜9はいずれも山麓で撮影したもの。

▼写真7 地面にギフチョウ(2012年4月13日、神奈川県)
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▼写真8 桜にギフチョウ(2012年4月13日、神奈川県)
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▼写真9 ヒヤシンスにギフチョウ(2012年4月13日、神奈川県)
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4月18日にはあまり良い写真は撮れなかった。
都合三度の遠征でかなりの写真を撮ったのだが、今振り返ってみると満足できるような写真はほとんどなかった。
言い忘れたが、私がギフチョウを初めて見たのが昨年なのだ。
ギフチョウは美しい蝶だと思う。春の女神の名は伊達ではないと思う。
その美しさをそのまま写し取る技量が自分にはないなと痛感した春だった。

あれから1年、またギフチョウの季節がやってきた。今年はもう少し良い写真が撮れたらと思う。

撮影機材:ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO+Kenko 1.4× TELEPLUS MC4

# by mikiosu | 2013-04-03 00:24 | | Comments(0)

白くてもモンキチョウ(2013年4月2日)

4月1日は月曜日だった。月曜日はちょっと憂鬱だ。
会社員にとってはこれから一週間仕事が始まるから憂鬱だが、会社をずっと前に辞めてフリーになった私にはあまり関係ない。
月曜日は都立の施設が休園になるのでつまらないのだ。
上野動物園はあまり行かないのでまあいいとして、主フィールドの井の頭公園にある井の頭自然文化園がお休みだと、主フィールドに出るのもちょっと躊躇してしまう。観察フィールドがかなり限られてしまうからだ。
ここは有料なのだが、400円で本園と分園の両方に入れるのはかなりお得感がある。しかも1600円払って年間パスポートを買うと、1年間入り放題なので毎年買っている。うっかりすると週に4回くらい行くこともあるので、1週間で元が取れる(笑)。
井の頭公園は禁煙でゴミ箱も設置していないが、井の頭自然文化園にはゴミ箱もあって、少ないが喫煙場所もあるので愛煙家の私にはとてもありがたい。
以前は井の頭公園ボート乗り場にある売店と同系列の売店が本園内の2箇所にあって、この売店はなんといえば良いのか、昔ながらのアットホームな売店で結構気に入っていた。売店が昨春に変更になって、どこの動物園にもあるような無機質な現代風の売店になってしまったのはかなり残念だ。
段々話が脱線してきたが、とにかく井の頭自然文化園はなかなか良いところなので、ここがお休みの月曜日には主フィールドにあまり出ないと言いたいのだった。
井の頭自然文化園と同様に年間パスを持っていて、春〜夏にはよく行く目黒自然教育園(正式には国立科学博物館附属自然教育園といい、最寄り駅は目黒駅だが所在地は港区である)も月曜日はお休みだ。
天気も微妙な予報だったので遠征にも行く気になれず、東京都薬用植物園でも行って、どんな花が咲いているか見てみようかとも思ったが、ここも月曜日は休みらしい。
そんな消去法で足を運んだのが隣町にある野川公園。蝶や蛾に関しては主フィールドの井の頭公園よりも豊富に見られる野趣に富んだ公園だ。
公園内にある自然観察園にはさまざまな花も咲いていて、虫影が少ない日でも楽しめるのがこの公園の良いところだ。
ところが、この自然観察園も月曜日はお休みなのだった。そんなことはこれまで何回も行っていて知っているはずなのにうっかりしていた。
長い前置きになってしまったが、そんなわけで広場や河川敷をしょんぼり歩くはめになった4月1日である。
どうも今年は河川敷を歩くことが多い。そしてモンキチョウばかりが目につく。
モンキチョウの食草はマメ科の植物らしいが、そんなに河川敷に多いのだろうか。
3年ほど前に蝶の写真を撮りはじめた頃には、モンキチョウの♀が白いとは知らなかった。
実際には黄色い♀もいて、この場合には交尾器を見ないと♂か♀かよく分からないらしい。
そうすると、写真を撮るだけの者には、交尾シーンを見た時にしかはっきり♂を見たと言えないことになるのだろうか。
写真1は白っぽいので♀とわかる。
写真2は黄色いので♂か♀かわからない。
写真3は2年ほど前に帰省先で撮ったものだが、これは♂と♀と判断して良いのだろうか。

▼写真1 モンキチョウ♀(河川敷にて。2013年4月1日、三鷹市)
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▼写真2 モンキチョウ(河川敷にて。2013年4月1日、三鷹市)
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▼写真3 モンキチョウ♂♀(河川敷にて。2011年8月7日、岩手県大船渡市)
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※ニコンD90&タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

ベニシジミも♂と♀の区別がはっきりしない種だ。図鑑などを見ると、♂の前翅は尖り、♀の前翅は丸みを帯びているなどと書いてある。
翅の色や模様で区別できない蝶の場合には、この他に腹部のふくよかな方が♀であると判断することが多いようだ。
ところが実際にはこれがなかなか難しい。採集して標本を作製するような方なら分かるのかもしれないが、写真を撮るだけの者には簡単には分からないのではないだろうか。
そう思ってベニシジミの写真をよくよく眺めてみる(写真4〜7)。

▼写真4 ベニシジミ その1 ちょっと♀のように見える(2013年4月1日、三鷹市)
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▼写真5 ベニシジミ その2 ♂のような感じがするが不明(2013年4月1日、三鷹市)
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▼写真6 ベニシジミ その3 ♀のような気がする(2013年3月28日、東京都)
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▼写真7 ベニシジミ その4 ♂のような気がする(2013年3月28日、東京都)
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この日は広場や土手などでタテハチョウもいくつか見られた(写真8〜10)。いずれも越冬蝶ばかりだ。
これらの♂♀も慣れないと判別が難しい。

▼写真8 テングチョウ(2013年4月1日、三鷹市)
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▼写真9 ルリタテハ(2013年4月1日、三鷹市)
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▼写真10 キタテハ(2013年4月1日、三鷹市)
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最後に今日のおまけ画像。
◎今日のニャンコ ♪(2013年4月1日、三鷹市)
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撮影機材:※印以外はニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-02 03:30 | | Comments(2)

3月の蛾たち番外編(2013年4月1日)

ここでは3月に見かけた蛾の中からシャクガ以外の蛾を紹介する。
蝶も蛾も同じ鱗翅目に属するのに、蝶は好きでも蛾は苦手という人は少なくないようだ。
季節は春、私とて蝶が目当てで出かけるのだが、蛾はその副産物と言える。時には副産物がメインになったりする今日この頃だ。
実際のところ、フユシャクの時期を別にしても、蛾が目当てで出かける日が時にはある。昆虫写真を撮りはじめた頃には蝶をメインに撮っていたはずなのだが、いつの間にか蛾も熱心に追いかけるようになってしまった。
日本国内で見られる蝶の種類は250種ほど、蛾は5000種とも言われる。
蛾は奥が深いのである。
いろいろな蛾を見つけて、名前を調べるのもなかなか楽しい。いや、白状しよう。シャクガ科の同定はちょっと辛い…、あとハマキガ科も…(笑)。
3月はシャクガ、キリガ以外の蛾はそれほど多くはなかったが、以下のような蛾が見られた(写真1〜5)。

▼写真1 ナシケンモン(2013年3月19日、日野市)
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▼写真2 リュウキュウキノカワガ(2013年3月21日、武蔵野市)
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▼写真3 ホシボシトガリバ(2013年3月28日、武蔵村山市)
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▼写真4 プライヤキリバ(2013年3月29日、裏高尾)
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▼写真5 ウスベニトガリバ(2013年3月29日、裏高尾)
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ナシケンモン、ウスベニトガリバ以外は初めて見る蛾である。
そして3月の掉尾を飾る蛾としてこれを挙げる(写真6〜8)。

▼写真6 オオミズアオ♂&オキナグサ(ノートリミング、2013年3月29日、八王子市)
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▼写真7 オオミズアオ♂(2013年3月29日、八王子市)
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▼写真8 同上、触角&脚(2013年3月29日、八王子市)
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オオミズアオ、いつ見ても美しい蛾である。
オオミズアオに魅せられて蛾の世界にハマったという人も少なくない。
オオミズアオは春と夏の年2化の蛾だが、1化の個体を見たのは初めてである。1化は4〜5月となっているので、3月29日ならそれほど驚くことではないかもしれないが、やはりちょっとびっくりした。
以前、主フィールドで行われた夜の観察会に参加して、羽化したばかりの♂♀を見つけたことがある。この時はかなり黄色っぽく見えた。夏に出る2化の個体は黄色味が強く出る傾向があるようだ。
蛾の♂♀は一般に触角で見分ける。♂は櫛歯状、♀は糸状であることが多いが、オオミズアオの場合、♀は櫛歯状で♂は羽毛状である。後翅も♂の方が長いようだ。
2008年に本州以南亜種の学名が変更されるまで、このオオミズアオには月の女神アルテミスの名が冠せられていた。月光の下で見る青白い姿はさぞや美しいに違いない。もちろん、日光の下で見ても美しい。

さて、3回に渡って3月中に見かけた蛾を紹介してきた。
エダシャクの項で参考サイトを少しだけ掲載したが、他にもたくさんお世話になったサイトがある。
蛾に限らず、昆虫サイトの先達が撮影し、同定し、その解説と画像をサイトに掲載してくださるおかげで、私のようにろくに図鑑も持たない者でも昆虫写真を楽しむことができる。
中には近縁種の画像を並べ、識別ポイントまで図解しているサイトもあるほどだ。
本人もお好きでやられていることとは思うが、その努力には本当に頭が下がる思いがする。
こんなブログで表明しても大して意味はなさないかもしれないが、記して感謝と敬意を表したい。

撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-01 00:20 | | Comments(0)