コツバメ現わる!(2013年3月23日)

つい先日スプリング・エフェメラル第一弾としてミヤマセセリを紹介したばかりだが、コツバメも出ていると聞いて、慌てて同じ丘陵に出かけてみる。
私にとって、昆虫写真を撮りはじめてからやっと3度目の春である。
最初の春はミヤマセセリやコツバメなんてまだ名前も知らなかった(ような気がする)。
二度目の春の昨年はミヤマセセリにはそこそこ出会えたのに、コツバメには4月中旬に1匹出会えただけ。一生懸命撮ったつもりだったが、あまり良い写真は撮れていない。
今年こそコツバメの写真をたくさん撮りたいと思っていたので、気合いが入る。
11時前にフィールドに到着。先日ミヤマセセリ♂を何匹か見かけた場所をチェックすると、この日はあまり飛んでいない。遠くを飛んでいる個体が1匹見えただけ。
コツバメはどこにいるのか分からない。
取りあえずいつも散策するルートをゆっくり歩きながら、葉上をチェックして廻る。
コツバメは縄張りを持ち、葉上や枝先にとまって占有行動をするからだ。他の蝶が縄張り(テリトリー)内に入ってくると矢のように飛んでいってこれを追い出そうとする。
そのため葉上や枝先にとまっていることをテリ張りと呼んだりするようだ。蝶の中にはこういう行動をする種がいくつかある。
したがって、葉先などにとまってテリ張りしているコツバメを見つけたら、一度飛ばれても戻ってくる可能性が高い。
そういうことを念頭に置きながら蝶の姿を探した。
もう少しで、こんな小さい蝶、見つかるかい!
と思いそうになった頃、とうとう見つけた。
とある谷戸の奥で、テリ張りしているらしい個体がいた。
念のためやや離れた場所から何枚かシャッターを切る。
少しずつ近づくと、やはり飛ばれてしまったが、案の定ほどなく同じ場所に戻ってくる。
撮っては飛ばれ、戻ったところを撮っては飛ばれを繰り返して、何枚かまずまずの写真が撮れた(写真1〜3)。

▼写真1 コツバメ その1a(ノートリミング、2013年3月22日、東京都)
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▼写真2 コツバメ その1b(2013年3月22日、東京都)
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▼写真3 コツバメ その1c(2013年3月22日、東京都)
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コツバメは早春の蝶なので、暖かい太陽の光を効率よく浴びるために、太陽の角度に合わせて身体を傾けてとまるとも言われている(写真4)。

▼写真4 身体を斜めにしてとまるコツバメ(同一個体、2013年3月22日、東京都)
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本当にそうなのだろうか。身体を温めるためなら、翅を広げた方が良さそうに思えるが、この蝶は常に翅を閉じている。翅を広げると体温を奪われるのかもしれないが、では同じ時期に出るミヤマセセリはどうなのかということになる。
いずれにしてもコツバメには不思議な魅力がある。焦茶色の地味な小さい蝶で、表翅を見せることもない。それなのになぜか人気がある。
小さくてシンプルで、なおかつ精悍な感じがする。翅と同じ焦茶色の眼に白い縁取りも良い感じだ。

前回訪ねた折りには♂の姿しか見られなかったミヤマセセリの♀らしき個体もこの日は見られた(写真5)。

▼写真5 ミヤマセセリ♀(2013年3月22日、東京都)
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もう少し近づきたかったが、どこからかハチかアブのようなものが飛んできてミヤマセセリを飛ばしてしまった。あいつ、今度会ったらタダじゃおかんぞ(笑)。
この日はさらに、ヤマトシジミ♂(写真6)、ムラサキシジミ、ヒオドシチョウ(写真7)など今年初見の蝶を立て続けに見ることができた。

▼写真6 ヤマトシジミ♂(2013年3月22日、東京都)
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▼写真7 ヒオドシチョウ(2013年3月22日、東京都)
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撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-03-23 03:59 | | Comments(2)

フチグロトゲエダシャク悪戦苦闘(2013年3月22日)

3月某日、野川公園で偶然お会いしたI氏のお誘いで、東京郊外のとある河川敷にフユシャク探しに行くことになった。
I氏は一週間前に既に撮影済みなのだが、今回は私の案内役を買って出てくれた。
お目当てのフチグロトゲエダシャクは早春に出るフユシャクの仲間である。
昼行性の蛾で、午前中から12時頃までが活動時間らしい。
この時間帯には、羽毛状に発達した触角を持つ♂が♀を探して飛び回る姿が見られ、午後になるとあまり飛ばなくなるという(参考サイト=日本産フユシャクWEB図鑑)。
現地に着いたのは10時半頃。早速土手を降りて河川敷を歩いてみる。
いるいる! あっちにもこっちにも飛んでいる。
これならバッチリ写真が撮れると思ったが、意外にこれからが大変なのだった。
昨年4月下旬のこと、ギンイチモンジセセリ春型を見に行った場所で、この日同行してくれたI氏とばったり遭遇し、飛び回ってなかなか止まってくれないギンイチモンジセセリを一緒に探したことがある。フチグロトゲエダシャクがいるという河川敷は何だか似たような環境だ。
歩き回っているとふいに足元から飛び立っていくのだが、飛んでいる♂の姿を眼で追っていても、必ずと言っていいほどとまる前に見失ってしまう。
二手に分かれて探しまわるが、闇雲に歩いてもなかなか見つからない。
そうこうするうちに、I氏がコセンダングサの実に絡まっているのを見つけてくれた(写真1、2)。

▼写真1 フチグロトゲエダシャク♂ その1(2013年3月16日、東京都)
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▼写真2 同上(2013年3月16日、東京都)
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絡まっている触角をほどいてから撮ってみたが、触ったためにちょっと擦れてしまったようだ(写真3)。

▼写真3 同上(2013年3月16日、東京都)
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取りあえず1個体は撮れたので、また歩き回って別の個体を探す。河川敷でおっさん二人がカメラを抱えて歩き回っている姿は、堤防を行き交う人たちの眼にどう映るのだろうと思いつつ、黙々と探し続ける。
見つからない! 
飛んでいる姿はたくさん見かけるのに、まったく近くに寄れず、時間だけが過ぎていく。
しばらくすると年配のご婦人がやってきて、一緒に探してくれた。
やがてこのご婦人がとまっている個体を見つけ、私の方に手招きをする。急いで近づくと、もう少しのところで飛ばれてしまった。
12時を過ぎた頃、再びこのご婦人が弱って飛べなくなっている♂を見つけてくれた。すごい!
これ幸いと裏から表から写真を撮らせていただく(写真4、5)。
実はこの個体も、いい位置に移動させようと私が翅に触ってしまい、擦れてしまった(汗)。

▼写真4 フチグロトゲエダシャク♂ その2(2013年3月16日、東京都)
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▼写真5 同上(腹面、2013年3月16日、東京都)
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その後12時半まで粘り、やや離れた場所にとまっている個体を見つけ、擦れのないまずまずの写真が撮れた(写真6)。これは1枚だけ撮ったら飛ばれてしまった。

▼写真6 フチグロトゲエダシャク♂ その3(2013年3月16日、東京都)
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考えてみると私はお二人に見つけてもらい、擦れ個体にしたあげく、擦れていないのは一人で撮っている。お二人に何の貢献もしていないどころか脚を引っぱってばかりだ(泣)。

あとで聞くと、I氏は知り合いの方にこの場所を教えてもらったそうだが、その方にこの場所を教えたのはこのご婦人だったらしい。
フチグロトゲエダシャク、写真では見たことがあったが、都内の河川敷で見られるとは思ってもいなかった。この日案内してくれたI氏と、場所情報をくださったご婦人に感謝したい。
感謝しつつ、一人で撮った最後の写真のことは内緒にしてある(笑)。

三日後、今度はもう少し良い写真が撮りたい。あわよくば♀も見つけたい。そんな思いで同じ河川敷に一人で出かけてみた。
前回よりやや遅めの11時頃現地に着く。
河川敷を歩くと、どうも様子が違う。飛翔する♂の姿がまったくといっていいほど見られない。
たった三日でこれほど変わるのかと思うほど、全然飛んでいないのだ。
「まあ、生き物相手だとこういうこともあるわな…」
たくさん飛んでいてもろくに見つからないのに、これでは無理だと最初から諦めムードが漂ってしまった。
それでも2時間ほど一人で黙々と探し歩く。♀はおろか飛んでいる♂の姿すらわずかに散見される程度で、仕方なくモンキチョウやベニシジミなどを撮ってお茶を濁す。
そんな私を哀れに思ったのか、どうにか1匹だけとまっている個体を見つけることができた。
もう一歩近くに寄りたかったが、離れたところから3ショット撮っただけで飛ばれてしまった(写真7、8)。

▼写真7 フチグロトゲエダシャク♂ その4(ノートリミング、2013年3月19日、東京都)
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▼写真8 同上(大幅にトリミング、2013年3月19日、東京都)
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この日は昼過ぎになって、ベニシジミの姿もちらほら見られた。ベニシジミは今年初見なので、何枚か写真を撮っておく(写真9、10)。
ベニシジミはいい子だ。近づいても逃げず、良いモデルになってくれる。

▼写真9 ベニシジミ その1(2013年3月19日、東京都)
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▼写真10 ベニシジミ その2(2013年3月19日、東京都)
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撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-03-22 00:01 | | Comments(4)

スプリング・エフェメラル第一弾 ミヤマセセリ(2013年3月21日)

3月5日にキタテハを撮って以来、テングチョウ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ベニシジミと見られ、いよいよ蝶の季節到来という感じがしてきた。
昨年は3月下旬までなかなか気温が上がらなかった記憶がある。裏高尾方面でミヤマセセリを初撮影したのは3月27日で、その日は1匹しか見かけなかった。今年は暖かく、蝶の出現も早いように思う。
いつも拝見させていただいているあかねさんのブログ「あかねの独り言 パート2」では、既にミヤマセセリの写真が載っている。
3月20日、春分の日に丘陵方面へと遠征してみた。この場所は昨年7月にあかねさんとお会いし、オオムラサキやキイトトンボの話をした公園である。
早速公園入口付近の雑木林でミヤマセセリが飛んでいるのが見られた。
それも1〜2匹ではなく、少なくとも5〜6匹はいたようだ。ところがどの蝶も元気に飛び回るだけで、なかなかとまってくれない。
つい最近飛んでばかりでとまってくれないフチグロトゲエダシャク♂で痛い目にあったばかりなので嫌な予感がしたが、まあまだ公園に着いたばかりだからと、場所を移してミズバショウやカタクリなどをおざなりに撮ってから、もう一度同じ場所に戻ってみる。
この公園は広いので別の場所に移動しても良かったのだが、ここでミヤマセセリを撮るのは初めてで、他の場所にいるかどうか分からなかったのだ。
戻ってみると相変わらず何匹か飛び回っていたが、そのうちにとまった個体を見つけた。
ちょっと離れていたが、一応撮れたのでひと安心だ(写真1)。

▼写真1 ミヤマセセリ♂ その1(ノートリミング、2013年3月20日、東京都)
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一息ついているとすぐそばにもう1匹、枯葉の上にとまっているのを見つけた(写真2、3)。

▼写真2 ミヤマセセリ♂ その2(ノートリミング、2013年3月20日、東京都)
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▼写真3 同上 アップで(2013年3月20日、東京都)
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何とか2個体撮影できたので場所を移す。
別の場所でも地面にとまる個体を見つける(写真4)。

▼写真4 ミヤマセセリ♂ その3(ノートリミング、2013年3月20日、東京都)
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この個体はタチツボスミレにもとまってくれたが、ちょっと角度が良くなかった(写真5)。

▼写真5 同上(2013年3月20日、東京都)
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撮影したミヤマセセリはいずれも♂のようだ。♀はまだ出ていないのだろうか。
結局この日はベニシジミ(写真撮らず(笑))、モンシロチョウ(写真6)、キタキチョウ(飛翔写真のみ)、アゲハ(写真撮れず)、テングチョウ(写真7)、ルリタテハ(写真8)などが見られた。

▼写真6 モンシロチョウ♂(2013年3月20日、東京都)
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▼写真7 テングチョウ(2013年3月20日、東京都)
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▼写真8 ルリタテハ(2013年3月20日、東京都)
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ほかにも初見の蛾や甲虫なども見られて収穫の多い一日となった。

家に戻って調べてみると、この公園に初めて行ったのが昨年4月2日で、その次が5月13日になっている。いずれもミヤマセセリには出会っていない。
昨年はミヤマセセリ♀の良い写真が撮れていないので、また近々探しにいってみたいものだ。

撮影機材:ニコンD7000&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-03-21 05:20 | | Comments(2)