上高地での宿泊ホテル近くの草地でヒメシジミを撮っていると、金属光沢のある昆虫が眼の端に見えた。
何か美麗な甲虫でもいるのかと思うと、青い金属光沢の綺麗なツマキホソハマキモドキだった(写真1、2)。
前翅長10ミリ以下の小さな蛾だが、ヒメハマキガと違って翅の畳み方が平べったいので、意外に写真は撮りやすかった。
▼写真1 ツマキホソハマキモドキ その1a(ノートリミング、2013年7月19日、上高地)
▼写真2 ツマキホソハマキモドキ その1b(2013年7月19日、上高地)
ツマキホソハマキモドキは別名マイコモドキという。
この蛾は後脚を持ち上げてクルクル回転させたりするらしい。撮影時にはそんな仕草をするとは知らず、よく観察しなかった。撮影写真を見ると確かに後脚が2本とも後翅外側に出ている。
後脚を触角のように動かすことで、捕食者を錯覚させると言われている。シジミチョウ科の尾状突起のような役割なのかもしれない。
写真3はコナミスジキヒメハマキ。
ヒメハマキガはやはり撮りにくい(苦笑)。不明瞭な写真なので同定もちょっと不明瞭だ。
▼写真3 コナミスジキヒメハマキ(2013年7月21日、上高地)
写真4はマツアトキハマキ。
ハマキガは似た種が多くて同定が難しいので、普段はあまり撮らない蛾だ(笑)。
▼写真4 マツアトキハマキ(ノートリミング、2013年7月21日、上高地)
写真5はオオボシオオスガ。
お土産店のガラス窓にとまっていた。
▼写真5 オオボシオオスガ(2013年7月21日、上高地)
写真6はテンクロアツバ。
梓川沿いの散策路脇の葉上にとまっていた。
▼写真6 テンクロアツバ(2013年7月21日、上高地)
写真7はトビネオオエダシャク。
これは宿泊ホテル玄関のガラス窓枠にとまっていた。これだけ触角が発達していれば♂と考えていいのではなかろうか。
上高地ではホテルの窓に集まる蛾も期待していたのだったが、思ったほどではなかった。
▼写真7 トビネオオエダシャク♂(ストロボ撮影、2013年7月19日、上高地)
写真8はキシタエダシャク。
写真9はカドモンヨトウ。
この両種は河童橋近くの休憩所の軒下にとまっていた。
▼写真8 キシタエダシャク(2013年7月20日、上高地)
▼写真9 カドモンヨトウ(2013年7月20日、上高地)
写真10はスジモンヒトリ。
写真11はヤナギドクガ。
写真12はウンモンスズメ。
これら3種は、やや山よりの公衆トイレ外壁にとまっていた。
スジモンヒトリは3匹、ヤナギドクガは数えたわけではないが10匹くらいいたような気がする。
ヤナギドクガの食樹はオオイチモンジと同じドロノキ。この辺りにたくさんいるわけだ。
スジモンヒトリもウンモンスズメもケヤキなどニレ科の樹木が食樹になっている。
この付近にはハルニレの巨木があるらしい。
ウンモンスズメは都内でもよく見かけるスズメガだが、上高地のウンモンスズメは心なしか緑が鮮やかに見えた。
▼写真10 スジモンヒトリ(2013年7月20日、上高地)
▼写真11 ヤナギドクガ(ノートリミング、2013年7月20日、上高地)
▼写真12 ウンモンスズメ(ノートリミング、2013年7月20日、上高地)
ちなみにこの公衆トイレの軒下では先に紹介した羽化間もないミドリヒョウモンも見つけている。
不審者に間違えられる危険性はあるが、野外ではやはりトイレ周辺のチェックは欠かせない(笑)。
何しろ上高地ではオオイチモンジもトイレ外壁にとまっていたりするから…。
参考サイト:虫Navi、みんなで作る日本産蛾類図鑑ほか
撮影機材:ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
# by mikiosu | 2013-07-29 00:01 | 蛾 | Comments(10)