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ヤマトシジミ、♂と♀のどっちがお好み?(2013年4月22日)

蝶の写真を撮りはじめて間もない頃、私は♂は派手で綺麗、♀は地味だと単純に決めつけていた。
例えばヤマトシジミ。
水色の表翅をきらめかせて飛ぶ♂は眼を引くが、♀は黒っぽくて地味だ。
ところが一旦とまって開翅するとどうだろうか。
♀の黒っぽい表翅は、なかなか渋い味わいを持っている。
それに気が付きはじめたのはツバメシジミ♀の開翅を撮った昨年春頃からだ。
それでもツバメシジミには橙色の斑紋もあるし、尾状突起もある。これといった特徴に乏しいヤマトシジミをそれほど熱心に撮ることはなく、蝶の写真をプリントしてアルバムを作るために、♂の閉翅&開翅、♀の閉翅&開翅は抑えておきたいので、機会があれば撮るといった程度だった。
…まったく分かっちゃいなかった(笑)。
秋頃に出現する低温型の♀には青い鱗粉がのっていることも知らなかった。

写真1〜3は春先に今年初撮りしたヤマトシジミである。
写真3のヤマトシジミ♀には秋に出る低温型の特徴である青い鱗粉がのっているようだ(3月29日付け『丘陵の蝶たち』より再掲)。
春のヤマトシジミ♀も低温型と呼んで良いのだろうか。

▼写真1 ヤマトシジミ♂(2013年3月22日、東京都)
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▼写真2 ヤマトシジミ♂(2013年3月22日、東京都)
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▼写真3 ヤマトシジミ♀(2013年3月28日、東京都)
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昨年(2012年)10月に裏高尾で、街道脇を飛んでいるヤマトシジミを見つけた時、飛んでいる姿には青い鱗粉が目立ったので、てっきり♂だと思った。
ところが撮ってみるとどうもいつもの♂のようではない。
一応何枚か撮って、家に帰ってよく調べると、秋頃に出る♀は低温型と言って青い鱗粉がのっている場合があるのだと知った(写真4、5)。
同じ日に林道入口でも青鱗粉のたっぷりのった個体を撮った(写真6)。

▼写真4 ヤマトシジミ♀ 低温型(2012年10月19日、裏高尾)
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▼写真5 ヤマトシジミ♀ 低温型(2012年10月19日、裏高尾)
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▼写真6 ヤマトシジミ♀ 低温型(2012年10月19日、裏高尾)
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それからはやや熱心に撮るようにしたが、いかんせんもう出会う機会が少なかった。
出会っても、低温型の♀の青い鱗粉には個体差がかなりあり、必ずのっている訳でもないようだ。
ひと口に青と言っても♂の青は水色、♀は濃い青で、♂の肢脈は白く、♀は黒い。今ではちゃんと見分けがつきます(笑)。

以下は、昨年秋以降に撮ったヤマトシジミの写真の中から、同日同場所で撮った♂と♀の開翅写真を選び出してみた(写真7〜12)。
冒頭に述べたように、青鱗粉のない♀でもなかなか渋い味わいがあって捨てがたい魅力がある。
青い色が好きな私でも、何だか♀の方がだんだん好きになってきた次第である。

▼写真7 ヤマトシジミ♂ 夏型(2012年9月22日、武蔵野市)
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▼写真8 ヤマトシジミ♀(2012年9月22日、武蔵野市)
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▼写真9 ヤマトシジミ♂(2012年11月9日、武蔵村山市)
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▼写真10 ヤマトシジミ♀ 低温型(2012年11月9日、武蔵村山市)
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▼写真11 ヤマトシジミ♂(2012年11月16日、小金井市)
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▼写真12 ヤマトシジミ♀ 低温型(2012年11月16日、小金井市)
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最後におまけ画像。変なとまり方をしているヤマトシジミがいると思って近づくと、どうやらハナグモに捕えられてしまったようだ。
逆光で翅が透けて、裏翅の黒い紋と表翅の水色が重なって見えた(写真13)。

▼写真13 ヤマトシジミ♂(2012年9月12日、武蔵野市)
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なお、当初はツバメシジミと一緒に紹介しようと思って書きはじめたが、ヤマトシジミの写真だけで13点になってしまったので、ツバメシジミは後日別項としてまとめることにした。
ヤマトシジミに関しては、だんだんと♂より♀の方が魅力的に思えてきた私だが、さてツバメシジミに関してはどうだろうか。

参考文献:『フィールドガイド 日本のチョウ』(日本チョウ類保全協会、誠文堂新光社)

撮影機材:ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-22 23:54 | | Comments(0)

ハエトリグモはお好き? 第二弾(2013年4月21日)

週末の東京は冬がぶり返してきたような寒さで、外出も取り止めて最近撮りためた画像の整理などに費やす。
3月下旬に一度ハエトリグモを取り上げたが、早いものでもう一か月近く経った。そこで過去の写真から第二弾としていくつか紹介してみよう。

写真1〜4はオオハエトリだ。名前の通りハエトリグモの中では大きい方である。
多くは体長6〜7ミリで5ミリ以下も珍しくないハエトリグモの中で、時に10ミリを超える個体もいるオオハエトリは、いつも手持ちで撮影する私にはありがたいサイズの持ち主だ。
蜘蛛は♂と♀では大きさがかなり異なる場合があるが、ハエトリグモはそんなに変わらないのも♂♀セットで撮りたい私にはいい感じだ。
オオハエトリの場合、♂♀の模様は似通っていて判別しにくいが、♂の触肢はボクシングのグローブのように大きい(写真4)。
これほど触肢が大きいハエトリグモは珍しいと思う。

▼写真1 オオハエトリ♀ 背面(2012年4月5日、三鷹市)
ハエトリグモはお好き? 第二弾(2013年4月21日)_d0303129_2042274.jpg

▼写真2 オオハエトリ♀ 正面(2012年4月5日、三鷹市)
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▼写真3 オオハエトリ♂ 背面(2012年5月5日、三鷹市)
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▼写真4 オオハエトリ♂ 正面(2013年3月18日、杉並区)
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※ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

写真5〜7はデーニッツハエトリ。
♀の腹部はふくよかで、模様もはっきりしていて、時に美しくすら見える(写真5)。それに比べて♂の腹部は細く、模様も微妙に出ている程度で地味だ(写真6)。
オオハエトリ♂ほどではないが、デーニッツハエトリ♂の触肢もややふくらんでいる(写真7)。

▼写真5 デーニッツハエトリ♀ 背面(2012年4月28日、八王子市)
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▼写真6 デーニッツハエトリ♂ 背面(2012年9月22日、三鷹市)
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※ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

▼写真7 デーニッツハエトリ♂ 正面(2011年5月6日、武蔵野市)
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写真8〜10はチャイロアサヒハエトリ。私の主フィールドでは冬でもよく見かける。
チャイロアサヒハエトリの脚は光の加減か、時折青緑色に輝いて見えることがある。糸も虹色になっていた(写真9)。
チャイロアサヒハエトリ♂は脚が細長いことで♀と区別できるようだ(写真10)。カニグモの中にもこのように♂の脚が極端に細長い種がいくつかある。

▼写真8 チャイロアサヒハエトリ♀ 背面(2012年6月22日、三鷹市)
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▼写真9 チャイロアサヒハエトリ♀ 正面(2012年4月17日、武蔵野市)
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▼写真10 チャイロアサヒハエトリ♂ 背面(2012年6月30日、三鷹市)
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写真11〜13はカラスハエトリ。近似種にヒメカラスハエトリというのもいて、生息場所も重なっているので、同定には注意が必要だ。
カラスハエトリの♂と♀は色も模様もかなり異なっているが、ご丁寧にヒメカラスハエトリの方も、♂はカラスハエトリ♂に、♀はカラスハエトリ♀に似ているのでやっかいだ。特に♀は色彩変異もあって難しい。
カラスハエトリ♂は何だか恥ずかしそうにモジモジしている。このポーズがお得意のようだ(写真13)。

▼写真11 カラスハエトリ♀ 背面(2012年10月15日、武蔵野市)
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※ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

▼写真12 カラスハエトリ♀ 正面(2012年4月12日、三鷹市)
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▼写真13 カラスハエトリ♂ 背面(2012年9月6日、武蔵野市)
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※ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

今回紹介するにあたってカラスハエトリ♀の過去画像をチェックしてみると、どうもカラスハエトリかヒメカラスハエトリかよく分からないものがかなり混じっているようだ。
何だか微妙な個体の写真が多かったが、何とかカラスハエトリ♀の典型的な写真を見つけた(写真11)。
この辺のハエトリグモはよく見かけるし、自分なりに理解しているつもりでいたが、まだまだ甘かったようだ。
そんな次第なので、写真12もカラスハエトリ♀かヒメカラスハエトリ♀か自信が持てない。
ヒメカラスハエトリの典型的な写真はまだ撮ったことがないようなので、今後はもう少し気をつけて探し、いずれこの種も紹介してみたいと思う。

…蝶ならともかく、ハエトリグモの写真をこんなに大きく載せることもなかったかな(笑)。

参考サイト:虫Navi東京23区内の虫
参考文献:『ネイチャーガイド 日本のクモ』(新海栄一編著、文一総合出版)

撮影機材:※印以外はニコンD90 & タムロンSP AF90mm f /2.8 Di MACRO

# by mikiosu | 2013-04-21 21:43 | 蜘蛛 | Comments(4)

野山で探蛾、さほど大物ではない蛾たち(2013年4月20日)

バードウォッチャーが鳥を探すのを探鳥、蝶マニアが蝶を探すのを探蝶と言ったりするようだ。
すると蛾を探すのは探蛾というのだろうか。
試しにネットで「探蛾」を検索してみると、いくつかヒットした。やはり使われているようだ。
これからは、ご趣味は? と聞かれたら、
「タンガです」
と答えてみよう。もしかしたら短歌と間違えて、
「高尚なご趣味ですね」
と早とちりする人もいるかもしれない。
「では、最近詠まれた歌を一つ」
と請われた場合に備えて、一首準備してある(笑)。

「公園のトイレが綺麗になって蛾が見られなくなりつつあるのを嘆いて詠めり。

  山吹の 花は咲けども 公園に
    蛾のひとつだに 無きぞ悲しき」

…お粗末。
実際のところ、最近ときたら近所の公園内トイレの手入れが行き届いていて、蛾がなかなか見つからない。まったく、蛾の一匹もいない公園に誰が来るか! と悪態をつきながら思いついたのだ。

まあ、そんなわけで、やっぱり公園に行くより野山だ。大体見たいと思っている春の大物蛾は公園なんかにはいやしない。
そう思って郊外の野山や里山に出かけてみるが、見たいイボタガやエゾヨツメがそうそう見つかる訳もなかった。
それでもいくつか面白い蛾を見つけることができた。
フタトビスジナミシャクは、フトジマナミシャクなど似たようなナミシャクがいろいろある中で、模様が綺麗な蛾だ(写真1)。

▼写真1 フタトビスジナミシャク(2013年4月17日、あきる野市)
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オオシロアヤシャクはウスアオアヤシャクと同定が難しいが、とてもとまり方の面白い蛾だ。翅を目一杯広げてとまるのが特徴のようだ(写真2)。

▼写真2 オオシロアヤシャク(2013年4月18日、裏高尾)
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セブトエダシャクは林縁の電柱にとまっていた(写真3)。

▼写真3 セブトエダシャク(2013年4月18日、裏高尾)
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プライヤキリバは先日も紹介したが、ちょっと突つくと触角を見せてくれた。両櫛歯状なので♂と判断して良いだろう(写真4)。

▼写真4 プライヤキリバ♂(2013年4月18日、裏高尾)
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ウンモンスズメは今年初見(写真5)。昨年もこの辺で見つけた気がすると思って調べると、2012年6月4日に同じ塀で見つけていた。

▼写真5 ウンモンスズメ(ノートリミング、2013年4月18日、裏高尾)
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フクラスズメは成虫越冬なのでいつでも見られると言えば見られるが、口吻を伸ばしたところはなかなか撮れないかもしれない。
山道の脇のケヤキに、誰かがジュースをぶちまけたような跡があり、そこに吸汁に来ていたようだ。
口吻が2本の紐状のものが合わさっているように見える(写真6)。
フクラスズメは大きくなった幼虫もそろそろ見られる時期だ。

▼写真6 フクラスズメ 吸汁中(2013年4月18日、高尾山)
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写真7〜9の3種は初めて見た蛾だ。
シロテンクチバはオオシロテンクチバとの判別が難しい種だ(写真7)。

▼写真7 シロテンクチバ(2013年4月18日、高尾山)
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モンウスギヌカギバは、ウスギヌカギバと似ている。外灯の庇にとまっていて、かなり高い場所だったが何とか撮れた(写真8)。

▼写真8 モンウスギヌカギバ(2013年4月18日、高尾山)
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ハネブサシャチホコは山頂のトイレ外壁にとまっていた。緑色が綺麗なシャチホコガだ(写真9)。やっぱり緑色が入っているとかなりポイントが高い。これもちょっと突ついてみれば良かっただろうか。

▼写真9 ハネブサシャチホコ(2013年4月18日、高尾山)
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最後に今日のおまけ画像。
今日はニャンコではない。イタチだ。野生のイタチは初めて見た。道路を横切って林縁で少しの間立ち止まってこちらの様子を窺った後、林の中に消えて行った。イタチの顔は意外に可愛い。

◎イタチ(2013年4月18日、裏高尾)
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参考サイト:みんなで作る日本産蛾類図鑑

撮影機材:ニコンD7000 & AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

# by mikiosu | 2013-04-20 01:15 | | Comments(2)